English Español 韓国語

2018年レギュラーシーズン ナショナル・リーグ地区別展望

2018.3.29 18:30 Thursday

 昨季はドジャースが1988年以来29年ぶりのリーグ優勝を果たしたナ・リーグ。球団史上初のワールドシリーズ制覇を狙うナショナルズや2016年ワールドシリーズ王者のカブスも充実の戦力を誇っているが、他球団もポストシーズン進出を目指して戦力を整えており、各地区で熾烈な優勝争いが繰り広げられることになりそうだ。

 東部地区は今季もナショナルズが地区優勝の筆頭候補だ。マックス・シャーザー、スティーブン・ストラスバーグを中心とした投手陣、ブライス・ハーパー、アンソニー・レンドンを中心とした打線はいずれも強力で、同地区他球団の追随を許さない。先発5番手が流動的であったり、好打のダニエル・マーフィーが故障で出遅れたりと不安要素がないわけではないが、球団史上初のワールドシリーズ制覇に向けてチーム全体のモチベーションは高く、シーズン序盤から独走態勢を築いても不思議ではない。そのナショナルズの対抗馬となり得るのがメッツとフィリーズだ。メッツは故障の多い先発投手陣がしっかり稼働すれば、ナショナルズに対抗できるだけのポテンシャルを秘める。フィリーズは伸び盛りの成長株が多いだけでなく、ジェイク・アリエタ、カルロス・サンタナと投打に経験豊富な選手を補強。若手の成長次第では大躍進の可能性もある。再建途上のブレーブスは超有望株のロナルド・アクーニャJr.に注目。昨季のコディ・ベリンジャー(ドジャース)のように4月下旬に昇格してそのまま新人王レースを独走するような活躍が見られるかもしれない。主力選手を次々に放出したマーリンズは最下位回避が現実的な目標となりそうだ。

 中部地区はカブスをブリュワーズとカージナルスが追う展開が予想される。カブスは若手の多い野手陣にさらなる成長が期待でき、ダルビッシュ有、ブランドン・モローといった新加入の投手が期待通りに働けば、今季もポストシーズン進出の有力候補。ブリュワーズはクリスチャン・イェリッチとロレンゾ・ケインを加えて打線を強化しており、投手陣の頑張り次第では地区優勝も見えてくる。カージナルスは打線の核としてマーセル・オズーナの獲得に成功。ルーク・ウィーバー、ジャック・フラハティ、アレックス・レイエスといった若手投手が期待通りに成長すれば、ポストシーズン返り咲きは現実的な目標だ。投打の中心選手を放出したパイレーツはチームの立て直しを図る。ただし、チームを完全に解体して大規模な再建を行うことは否定しており、今季は戦力の見極めを行うシーズンとなりそうだ。レッズはジョーイ・ボットーを中心とした打線こそ強力だが、計算できる先発投手が一人もいない。ポストシーズン争いに絡むとすれば、ブレイクを遂げる投手が複数現れた場合だけだろう。

 西部地区は今季もドジャースが優勝争いの中心となるが、ジャスティン・ターナーの出遅れにより雲行きが怪しくなっている。絶対的エースのクレイトン・カーショウを擁するものの、本来は選手個々の力ではなくチーム全体の力で勝負するタイプのチーム。ターナーの離脱で歯車が噛み合わなくなり、意外な苦戦を強いられる可能性もゼロではない。対抗馬の筆頭はロッキーズだろう。本拠地の特性を生かした打線は元々強力であり、先発陣にも若手が続々と台頭中。さらに今オフはウェイド・デービスとブライアン・ショウを獲得してブルペンを大幅に強化しており、ドジャース撃破の態勢が整った感がある。昨季地区2位のダイヤモンドバックスは昨季後半戦の快進撃を支えたJ.D.マルティネスの引き留めに失敗し、代役として獲得したスティーブン・スーザJr.が故障で出遅れるため、戦力ダウンは否めない。アンドリュー・マカッチェンとエバン・ロンゴリアを獲得して地区最下位からの再浮上を目指すジャイアンツは、マディソン・バムガーナーとジェフ・サマージャを故障で欠くという予想外の事態に陥り、今季も苦戦を免れないだろう。パドレスはエリック・ホズマーを獲得したが、まだ再建途上。若手選手の成長を見守るシーズンとなりそうだ。

spotvnow