カージナルス・ミラー「我々には現在と未来の選手を守る責任がある」
2020.6.5 16:20 Friday
日本時間6月5日、メジャーリーグ選手会のトニー・クラーク専務理事は声明文のなかでメジャーリーグ機構から提示されたプランを断固として拒否したことを明らかにした。機構側は、選手会が年俸削減に応じない限りシーズンの試合数を大幅に削減するという姿勢を貫いているものの、選手会も、給与削減については一歩も譲らない構えを見せており、両者間の深い溝が埋まる気配はない。ESPNが詳細を伝えている。
ある関係者は、両者が合意に達してからシーズン開幕までに4週間を要すると語っており、独立記念日(7月4日)のシーズン開幕を目指すのであれば、残された時間は多くない。選手会は6月30日に開幕する114試合のプランを提示していたが、それを実現するのは絶望的な状況となりつつある。
選手会役員の1人であるアンドリュー・ミラー(カージナルス)は「選手たちは(オープン戦が中断された)初日からできるだけ早くグラウンドに戻ることを目指してきた。ファンのために試合を開催しようと試みてきたが、結果としてメジャーリーグ機構に非難されただけだった」と述べた。
さらに「以前の合意に反して我々が譲歩すれば、彼らはより多くの試合を開催するつもりらしい。我々には組織として現在と未来の世代の選手たちを守る責任がある。選手を分断しようとするメジャーリーグ機構の試みを我々は断固として拒否した」と語り、メジャーリーグ機構の姿勢を批判するとともに、選手の代表としての責任感をにじませた。
選手のなかには「25%の給料のためにシーズンの25%だけをプレーするなんて、そんなリスクを負う価値はない」と語る者もいる。「新型コロナウイルスのことだけを言っているのではない。(そんなに短いシーズンだと)ハムストリングや肩を少し痛めただけでシーズンが終わってしまう」とその選手は語る。
一方、カブスのトム・リケッツ・オーナーは「我々が大金を蓄えていると考える人々がいるようだ。しかし、それは事実ではない。このようなパンデミックを予想できる人などいないのだから」と発言。未曽有の事態により球団の経営状況が悪化していることへの理解を求めた。