もしアレックス・ロドリゲスがドジャースに指名されていたら…
2020.6.8 12:20 Monday
現在のドラフト制度では、全体1位指名権は前年のメジャー最低勝率のチームに与えられるが、2004年までは各リーグの最低勝率のチームに交互に与えられていた。そのため、必ずしもメジャー最低勝率のチームが全体1位指名権を持っていたわけではなかった。1992年はドジャースがメジャー最低勝率だったが、1993年のドラフトではア・リーグ最低勝率のマリナーズが全体1位指名権を獲得してアレックス・ロドリゲスを指名。メジャーリーグ公式サイトのマイケル・クレアは、現在のドラフト制度と同様に、メジャー最低勝率のドジャースが全体1位指名権を持ち、ロドリゲスを指名した場合の「ifストーリー」を紹介している。
【1】ドジャースは歴代屈指のスター軍団となっていた
1990年のドジャースは、1992年のエリック・ケアロスから始まり、マイク・ピアッツァ、ラウル・モンデシー、野茂英雄、トッド・ホワンズワースと5年連続で新人王を輩出。ここにロドリゲスが加われば、驚異的なスター軍団となっていたことだろう。
【2】ドジャースは「ナ・リーグのヤンキース」になっていた
ロドリゲスがマリナーズの正遊撃手として活躍した1995~2000年、ドジャースではホゼ・オファーマン、グレッグ・ギャグニー、ホゼ・ビスカイーノ、マーク・グルジラネック、アレックス・コーラなどが遊撃手を務めた。彼らに代わってロドリゲスが入れば、首位から1ゲーム差の1996年と2ゲーム差の1997年は地区優勝、ワイルドカード圏内から7ゲーム差の1998年と8ゲーム差の2000年はワイルドカードでポストシーズンに進出できていた可能性がある。
【3】1997年の世界一はドジャースだった
ロドリゲスがOPS.652のギャグニーに代わって正遊撃手を務めていれば、1997年のドジャースは地区優勝し、地区シリーズでマーリンズ、リーグ優勝決定シリーズでブレーブス、ワールドシリーズでインディアンスを破って1988年以来9年ぶりのワールドシリーズ制覇を成し遂げていただろう。
【4】ランディ・ジョンソンはドジャースに加入していた
1998年途中にジョンソンはマリナーズからアストロズへトレードされたが、ドジャースがイスマエル・バルデスとウィルトン・ゲレーロをトレード要員としてジョンソンの獲得を狙っているという噂があった。ドジャースはロドリゲスがいればエクスポズからグルジラネックを獲得する必要はないため、ジョンソンの交換要員にテッド・リリーを加えることができる。これによりジョンソンのドジャース移籍が成立していた可能性がある。
【5】ケビン・ブラウンはダイヤモンドバックスと契約していた
ジョンソンがドジャースへ移籍し、ドジャースと契約を延長していたと仮定すれば、1998年オフにドジャースがブラウンを獲得することはなく、ブラウンはダイヤモンドバックスと契約していただろう(現実の世界ではダイヤモンドバックスがジョンソンと契約)。ブラウンは2001年に故障で成績を落としており、ダイヤモンドバックスのワールドシリーズ制覇は実現していなかったかもしれない。
【6】FAとなったロドリゲスはメッツと契約した
ドジャースによって2000年のワイルドカード獲得を阻まれたメッツは、同年オフのロドリゲス獲得に全力を注ぎ、歴代最高額でロドリゲスと契約しただろう(現実の世界では総額2億5200万ドルでレンジャーズと契約)。これはロドリゲスとピアッツァがメッツで再びチームメイトとなることを意味する。
【7】ロドリゲスはレッドソックスへトレードされた
有望株ホゼ・レイエスのメジャー昇格の準備が整ったメッツは、現実の世界で2003年オフにレンジャーズがロドリゲスをヤンキースへ放出したように、ロドリゲスのトレードを検討するだろう。メッツが同じニューヨークに本拠地を置くヤンキースへスター選手を放出する可能性は低く、ロドリゲスはレッドソックスへ移籍することになったと思われる。
●クレアの三角トレード案
メッツ獲得:マニー・ラミレス、ジョン・レスター、金銭
レッドソックス獲得:ロドリゲス、マグリオ・オルドニェス、ブランドン・マカーシー
ホワイトソックス獲得:ノマー・ガルシアパーラ、スコット・ウィリアムソン
このトレードが成立していれば、レッドソックスが世界一となった2004年と2007年、ホワイトソックスが世界一となった2005年のチャンピオンリングの行方が変わっていたかもしれない。以上の内容はクレアによる「ifストーリー」に過ぎないが、これも開幕延期で試合がない期間の楽しみ方の1つと言えるだろう。