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【連載コラム】MLB全30球場を制覇 第8話 桜咲く、アメリカ首都の野球場

2023.1.27 18:53 Friday

 澄み渡る青空。美しい芝。白球が奏でる音に、歓声が重なり合う。最高峰のプレーに心躍り、熱く盛り上がる場所。今年アメリカ中を飛び回り、MLB全30球場を制覇したスポーツアナウンサー福田太郎が、あなたを「夢のボールパーク」にお連れします。MLBスタジアムの世界へ、ようこそ。

桜咲く野球場

 ナショナルズ・パークは、お花見をしながら野球観戦ができる、MLBで唯一のボールパークです。ワシントンD.C.では、春に見られる満開の「チェリーブロッサム」が名物のひとつです。きっかけは今から100年以上前、日本から桜の木が贈られたことだったそうです。

 ワシントン・ナショナルズは、2019年にチーム創設後初めてワールドチャンピオンに輝きました。サクラサク常勝軍団になるためのスタートダッシュと、野球と桜のコラボレーションを観に行きましょう!

ユニフォームに満開の桜!

ナショナルズ・パークへ

 アメリカ東海岸のMLBスタジアムを巡る旅。最後はアメリカの首都、ワシントンD.C.に向かいます。ボルティモアから「ワシントン・ユニオン駅」まで、おなじみの鉄道「アムトラック」で南へ1時間弱です。駅を降りた瞬間から、白を基調とした大きな美しい建築物を目にすることができます。「議会議事堂」や「ホワイト・ハウス」など、まさに政治の中心地です。

アメリカ合衆国議会議事堂!

 そこから一転、先進的なマンションや飲食店街、再開発を続けるクレーン群が見えてきたら… Nationals Park! Nice to meet you!

 ちなみに、空の玄関口「ワシントン・ダレス国際空港」は、アメリカ大手の「ユナイテッド航空」の拠点空港なので、全米どこからでもアプローチしやすいのも魅力です。

Ballparkの楽しみ方

 球場レフト側にある正面玄関をくぐると、両脇に植えられた桜の木が私たちを出迎えてくれます。見頃は3月下旬から4月上旬なので、まさしく球春到来のタイミングが一番のおすすめです! 2022年、MLB各球団が街の魅力を反映させたユニフォームを着た「シティ・コネクト」でも、ナショナルズは桜をモチーフにしました。

 その桜の木を望めるレフトスタンドは、レストランのオープンテラス席になっていて、予約をすれば誰でも食事を楽しめます。球団職員のおすすめスタジアムフードは「ベンズ・ハーフスモーク」のホットドッグ。チリソースと玉ねぎをたっぷり乗せていただくのがワシントンスタイルだそうですよ。

歩みを続けるアメリカとMLB

 ワシントンD.C.がアメリカの首都でもあることから、地元・政府と連携したボールパーク作りが行われています。事実、周辺の再開発では、球団がスタジアム周辺の土地を買い上げ、レジデンスやビルを建設。エンターテインメントの拠点を広げていくことで治安も改善され、新しいカルチャーが生まれています。

 球場内には「ライブラリー・コングレス」という、アメリカ政治の歩みと、野球の歴史とを対比させながら学べるエリアがあります。ちょっと読んでみると、ナショナルズの前身は、かつてカナダにあった「モントリオール・エクスポズ」だそうです。1969年、両リーグが12球団制へ移行するための球団数拡張をきっかけに誕生し、アメリカ以外の国にできた史上初のMLB球団でした。

 2005年、ワシントンD.C.に拠点を移したことで、今の形になりました。マスコットはプレジデント(大統領)たち。試合中に彼らが全力疾走する「プレジデント・レース」も人気です

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福田太郎(ふくだ・たろう)/ 1991年生まれ。HTB北海道テレビ放送アナウンサー。プロ野球の実況中継や、朝の情報番組MCを担当した後、2022年2月から11月まで休職。MLB全30球団・ボールパークを訪ね、世界最高峰のスポーツエンターテイメントを学び、12月に復職。写真:福田太郎

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