【アメリカ大学野球の名門③UCLA】多くの名選手を輩出する世界的な名門校
2024.3.4 18:03 Monday
花巻東高校の佐々木麟太郎がスタンフォード大学への留学を決め、注目されているアメリカの大学野球。70年代の日本でアパレルブームを呼んだ知名度ナンバーワンのUCLAは、多くのメジャーリーガーを輩出している文武両道の名門校だ。
ロサンゼルスのウエストウッドにある総合大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校。University of California at Los Angelesの頭文字を取った「UCLA」は日本での知名度も高い。70年代にはTシャツやトレーナーなど、UCLAのロゴが入ったアパレルがブームとなった。
そんなUCLAは、ノーベル賞受賞者を14名も輩出している超エリート校で、学生数もカリフォルニア州の大学でトップを誇る大規模大学だ。カレッジ・スポーツでの活躍も目覚ましく、同大のスポーツチームの愛称である「ブルーインズ」のユニフォームに袖を通した野球部からは、多くのメジャーリーガーが輩出されている。
そのなかで最も有名なのが、球史に残る大偉業を成し遂げた英雄、ジャッキー・ロビンソンだろう。
学生時代には野球だけでなく、フットボールや陸上などでも活躍していたロビンソンは1939年にUCLAに入学(1941年に名誉退学)。第二次世界大戦での従軍後はニグロリーグで活躍し、1947年4月15日に近代のMLBでは初となるアフリカ系アメリカ人のメジャーリーガーが誕生した。その後10年間で新人王、首位打者1回、盗塁王2回、1949年にはMVPも受賞し、オールスター・ゲームに6回出場するなど活躍し、1955年にはドジャースを球団初の世界一に導いた。
投手では、同学年で2枚看板を形成し、2010年にチームをカレッジ・ワールドシリーズ決勝まで導いたゲリット・コールとトレバー・バウアーがいる。
コールは2008年のドラフト1巡目(全体28位)でヤンキースから指名を受けるもUCLAに進学。2011年のドラフト1巡目(全体1位)でパイレーツから指名を受けると、バウアーも全体3位でダイヤモンドバックスから指名され、同一大学からドラフト上位3位以内に2人が指名を受けた。
その後、コールはパイレーツ、アストロズ、ヤンキースでプレーし、最多勝1回、最優秀防御率2回、最多奪三振2回。2023年には満票でサイ・ヤング賞を受賞するなど、UCLA出身最多の通算145勝を挙げている。
バウアーもMLBでは最優秀防御率1回、2020年にはサイ・ヤング賞を受賞するなど活躍し、コールに次ぐUCLA出身者2位の通算83勝、1416奪三振をマークしている。
カレッジ・スポーツが盛んなアメリカでトップクラスの実力と知名度を誇るUCLA。現在も多くのOBがMLBで活躍しており、今後も続々と新たなスターが生まれてくるだろう。ヤンキースからドラフト1巡目指名を受けても学業と将来を考えてUCLAへの進学を選んだコールのように、カレッジ・スポーツもまた、選手たちにとって憧れの世界でもあるのだ。