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【データで紐解くMLB⑥】より速く、より遠くに打球を放つ6つの極意を「YES」と「NO」で徹底比較

2024.7.19 12:53 Friday

 MLBの追跡技術システム「Statcast」が今季から取り入れた新指標「Bat Tracking」。バットスイングの速度や軌道、打球の速度や発射角度などを直接追跡することでより明らかになった6つのバッティングの極意が、前半戦ではどのような状況になったのかが公開された。

 今季から取り入れたバット・トラッキングによって、より速く、より遠くへ打球を放つための極意が明確になった。そのスイングは今季のMLBではどれほどの割合で確認され、結果としてどれだけの差が生まれたのか。そして、前半戦でのそれぞれの極意の使い手トップ3を紹介する。

◆Barrel(バレル):打球の初速と発射角度の理想的な組み合わせ

YES(7.9%)=打率.704/長打率2.340
NO(92.1%)=.291/.373

Barrel トップ3
➀アーロン・ジャッジ(ヤンキース) 15.6% .306/.679

②大谷翔平(ドジャース) 13.1% .316/.635
③フアン・ソト(ヤンキース) 12.2% .295/.558

◆Blasts(ブラスト):より速いバットスピードでボールを芯で捉える理想的なスイング

YES(24.4%)=打率.557/長打率1.161
NO(75.6%)=.247/.322

Blasts トップ3
➀大谷翔平 116 .316/.635

②ヤンディ・ディアス(レイズ) 114 .273/.396

③ガナー・ヘンダーソン(オリオールズ) 113 .286/.584
③アーロン・ジャッジ(ヤンキース) 113 .306/.679

◆Fast-swing(ファスト・スイング):時速75マイル(約120.7キロ)以上のスイング

YES(18.6%)=打率.318/長打率.643
NO(81.4%)=.244/.369

Fast-swing トップ3
➀ジャンカルロ・スタントン(ヤンキース) 98.1% .246/.492

②カイル・シュワーバー(フィリーズ) 76.6% .249/.455
③オニール・クルーズ(パイレーツ) 74.7% .246/.438

◆Hard-hit(ハードヒット):初速が時速95マイル(約152.9キロ)以上の打球

YES(39.0%)=打率.486/長打率.952
NO(61.0%)=.219/.256

Hard-hit トップ3
➀アーロン・ジャッジ(ヤンキース) 61.5% .306/.679

②大谷翔平(ドジャース) 60.0% .316/.635
③フアン・ソト(ヤンキース) 57.6% .295/.558

◆Launch Angle Sweet-Spot(ローンチアングル・スウィートスポット):打球の発射角度が8°から32°の間の打球

YES(33.8%)=打率.579/長打率1.043
NO(66.2%)=.193/.266

Launch Angle Sweet-Spot トップ3
➀ブランドン・マーシュ(フィリーズ) 47.1% .263/.436

②パトリック・ベイリー(ジャイアンツ) 45.3% .283/.430
③ラモンテ・ウェイドJr.(ジャイアンツ) 43.5% .311/.419

◆Squared-up(スクエアアップ):投球の球速から求められる打球速度の最大値にどれほど近いか

YES(62.0%)=打率.375/長打率.670
NO(38.0%)=.238/.297

Squared-up トップ3
➀ルイス・アライズ(パドレス) 44.8% .310/.378

②スティーブン・クワン(ガーディアンズ) 39.5% .352/.512
③ブレンダン・ドノバン(カージナルス) 36.2% .276/.411

 ジャッジ、大谷など、今季も飛距離で魅せる長距離打者に、鋭い打球でヒットを量産するアライズやクワンのようなアベレージヒッター。彼らの好調の理由がデータによって明確になったと言えるだろう。まもなく始まるシーズン後半戦、彼らの好調は続くのか、はたまた、新たな打者が上位に割り込む躍進を見せるのか。それぞれのストロングポイントがわかったうえで打席を見れば、よりゲームを楽しめること間違いなしだ。

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