【データで紐解くMLB⑦】投高打低に拍車をかける100マイル超えの投手たち
2024.7.25 22:20 Thursday
投高打低の傾向が強いMLB。今季の平均打率.242はここ5年で最も低い。その要因の1つが、投手の球速アップだ。今季も100マイルを超える剛球で打者を翻弄する投手たち。そのなかで、今季最速を記録している先発・救援投手を紹介しよう。
先発トップ3 マイル(キロ)
1 ポール・スキーンズ(パイレーツ) 101.9(約164.0)
2 タリック・スクーバル(タイガース) 101.7(約163.4)
3 ホセ・ソリアーノ(エンゼルス) 101.3(約163.0)
先発投手で今季最速をマークしたのは、2023年ドラフト1巡目(全体1位)でパイレーツに入団し、日本時間5月12日のカブス戦でメジャーデビューした怪物ルーキー、ポール・スキーンズだ。
1番のマイク・トークマンに対し、記念すべき第1球は101.0マイル(約162.6キロ)の4シーム。トークマンを空振り三振に打ち取ると、2番の鈴木誠也にはシンカーとスライダーで空振り三振、そして3番のコディ・ベリンジャーに投じた3球目が101.9マイルを計測。今季の先発投手で最速、先発投手として球団史上最速をいきなりデビュー戦の初回でマークした。
その後も快投は続き、前半戦は6勝負けなし、防御率1.90で、オールスター・ゲームの先発に選ばれた。後半戦初登板となった7月24日のカージナルス戦では8回1/3を2失点も打線の援護なく初黒星を喫したが、100マイル前後の力投で8三振を奪うなど、怪物ぶりを遺憾なく発揮した。
救援トップ3 マイル(キロ)
1 ベン・ジョイス(エンゼルス) 104.5(約168.2)
2 アロルディス・チャップマン(パイレーツ) 104.0(約167.4)
3 ヨアン・デュラン(ツインズ) 103.9(約167.2)
救援投手の今季最速は、メジャー2年目のベン・ジョイスだ。テネシー大時代の2022年にカレッジ史上最速の105.5マイル(約169.7キロ)を計測して一躍話題となり、同年のドラフト3巡目(全体89位)でエンゼルスに入団。2023年5月30日のメジャーデビュー戦では、いきなり全12球中11球で100マイル超えを計測した。
今季はマイナーで開幕を迎え、6月3日に昇格。6月15日から13試合連続無失点を継続中で、最速記録は7月13日のマリナーズ戦で叩き出した。7回から2番手で登板すると、先頭のルーク・レイリーに103マイル(約165.8キロ)の死球を与え、一死から代打ジョシュ・ロハスに投じた4球目が今季の最速を記録した。
怪物ルーキー、スキーンズは1年目ということで中5日の登板となっているが、今後も快投は続くのか。ジョイスは、早くも未来のクローザーとしても期待されている。剛速球とパワーヒッターの力と力の激突、今後も2人が見せる名勝負からは目が離せない。