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【ON THE MOVE ②】最下位から首位チームへの移籍で菊池の投球と心境に変化

2024.8.19 22:42 Monday

 7月30日(日本時間31日)にトレード・デッドラインを迎え、最終日には33件のトレードが成立したが、その前日にも12件が成立。そのなか、 「フラッグディール・トレード」でブルージェイズからアストロズに菊池雄星が移籍した。

 トレード・デッドラインでは、優勝を狙うチームがさらなる補強のため、下位に沈み、再建を図るチームから主力をプロスペクト(若手有望株)と交換する「フラッグディール・トレード」も行われる。今回その1つが、3人のプロスペクトと交換で菊池雄星を獲得したアストロズとブルージェイズのトレードだった。

 アストロズは8年連続のプレーオフ進出を目指し、ア・リーグ西地区1位。対するブルージェイズはア・リーグ東地区で最下位と低迷していた。菊池は22試合に先発して4勝9敗、防御率4.75と伸び悩み、今季が3年契約の最終年となっていたなかでのトレードとなった。

 31日(同8月1日)の入団会見で菊池は「優勝を狙えるチーム。過去10年間でMLBで最も勝っているチームにトレードが決まって、すごく興奮している」と語ると、移籍後初登板でアストロズの期待に応える快投を披露した。

 8月2日(同3日)、本拠地でのレイズ戦で5回2/3を投げて3安打2失点で勝ち負けはつかなかったが、11三振を奪い、球団記録に並ぶ8者連続三振をマーク。球団デビュー戦での達成はメジャー史上初の快挙だった。その投球で大きく変わったのがチェンジアップの多投。シーズン平均11%だったチェンジアップを26%使用した。11三振を奪った圧巻の投球を「ピッチング・ニンジャ」として知られる投球分析家のロブ・フリードマン氏も自身のSNSで評価している。

 試合後に、スタッフとのミーティングでチェンジアップとスライダーをもっと使うと明かした菊池は、その後の登板でも好投して2連勝を飾った。

 今季ブルージェイズでは4.75だった防御率は、まだ3試合だが、移籍後は2.70と飛躍的に改善。菊池は「1試合1試合、大事になるなかで野球ができるのは選手冥利につきる」と、メジャーで初めてペナントレースを争えるチームで投げることへの充実感を語っている。

 アストロズは8月に入って12勝4敗と好調で、2位マリナーズとの差を4ゲームまで広げている。これには菊池加入の効果も見逃せない。明日19日(同20日)のレッドソックス戦で移籍後4登板目が予定されている菊池。今年6月17日(同18日)の対戦では4回7安打5失点で6敗目を喫したレッドソックスに対し、生まれ変わった菊池がどのようなピッチングを見せるのか注目だ。

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