【ON THE MOVE ④】MLBゲームのカバーを飾った人気選手が「紳士軍団」にフィット!?
2024.8.26 20:13 Monday
今夏のトレードで「帝国」ヤンキースに加入したのが、メジャー5年目、26歳のジャズ・チザムJr.だ。派手なファッションやユニークな言動で、マイアミでは子どもたちからも人気だったチザムJr.が「紳士軍団」にフィットするのか注目されたが、攻守で活躍し、自身もプレーを楽しんでいる。
トレード・デッドライン(期限)の7月30日(日本時間31日)を前に、27日(同28日)にマイナー3選手とのトレードでマーリンズからヤンキースに移籍したジャズ・チザムJr.は、メジャー2年目から3年連続で2ケタ本塁打&2ケタ盗塁をマークし、今季も13本塁打&22盗塁を記録(マーリンズ在籍時点)。ヤンキースのアーロン・ジャッジはチザムJr.の加入について「彼はダイナミックな選手だ。彼にはスピードがあり、パワーもある。我々全員が彼をチームに迎え入れることに興奮している」と太鼓判を押した。
その期待通り、ヤンキース移籍2試合目、7月29日(同30日)のフィリーズ戦で2本塁打を放つと、翌日も2本塁打を含む3安打と爆発した。
また、2試合目での本塁打は、ジャッジのバットを使っての一発で、ベンチでテレビカメラに向かってバットを披露。試合後にチザムJr.は「明日は絶対にあれは使わない。あのバットは重すぎた」と笑いを誘った。
チザムJr.の人気は高く、2023年には前年に大谷翔平がカバーを飾った人気ゲーム「MLB the Show」のカバーに選ばれた。マーリンズのスキップ・シューマッカー監督は「ジャズはファンや球団にとっても明らかに意味のある存在だった。私の子どもも含め、みんなジャズを見たがっていた。ジャズのようなダイナミックな選手を失うのはいつもつらい」と心情を語っていた。
チザムJr.は現在、初めての挑戦となる三塁を守るが、「ヤンキースでプレーするのはすべての子どもの夢だ。私がプレーしたい夢のチーム。最後の試合で優勝するためにはどんなポジションでもプレーするつもりだ」とゲームを楽しみ、移籍後は17試合で7本塁打、5盗塁、打率.294、OPS.965をマーク。8月10日(同11日)のレンジャーズとのダブルヘッダーでも2試合連続アーチを放つなど結果を残している。
加入した直後には10日間の故障者リスト入りし、一時は手術の可能性も取り沙汰されていたが、幸い大事には至らず、無事に戦列復帰している。最終的にヤンキースはチザムJr.にセンターを任せ、ジャッジの負担を少なくする見込み。ダイナミックなプレーに陽気なキャラクター。「紳士軍団」には特異な存在かもしれないが、ジャッジも太鼓判を押す実力は本物。ニューヨークでも子どもたちのヒーローになれるか。