【City Connect Uniforms解説④】赤基調は球団初。有名ラッパーへの敬意を込めた「The Lou」
2024.8.29 23:40 Thursday
2021年に導入されたシティコネクト・ユニフォーム。本拠地を置く地域の文化や特色をモチーフとしており、1つひとつのデザインに注目すると、チームと地域のつながりや歴史を感じられる。第4回は、142年の球団の歴史で初めて、ベースに赤を採用したカージナルスのユニフォームを紹介しよう。
鮮やかな赤が目を引くカージナルスのシティコネクト・ユニフォーム。最も特徴的なのは、バットの上にノーザンカージナル(ショウジョウコウカンチョウ)がとまったおなじみのイラストと「The Lou」の文字だろう。「The Lou」は、セントルイス出身の有名ラッパー・ネリーのファーストシングル『Country Grammar』の一節「I’m from the Lou, and I’m proud.」が由来となっているセントルイスの愛称。ラーズ・ヌートバーは、このユニフォームで特に気に入っているポイントとして「The Lou」の文字を挙げていた。
The Cardinals are debuting their City Connect uniforms tonight!
The Birds. The Bat. The Lou. pic.twitter.com/7aJ2dZAnFh
— MLB (@MLB) May 25, 2024
ユニフォームのピンストライプ柄は、セントルイスがミズーリ川とミシシッピ川の合流地点に位置することから、川の流れのような波打った形に。ピンストライプがユニフォームに使われたのは、1929年以来95年ぶりとのことだ。
袖のワッペンのロゴは、2つのセントルイスのシンボルが組み合わさったもの。1つは、地名の由来となっているフランス元国王ルイ9世の時代の象徴「フルール・ド・リス」。もう1つは、近年の街のシンボルとなっているゲートウェイ・アーチで、それぞれへの敬意を表している。
また、ユニフォームの襟の内側にはヴィンテージなデザインの「1882」ロゴが施されている。カージナルスの前身であるフランチャイズ球団「セントルイス・ブラウンストッキングス」の創設を記念したものだ。
そして、キャップに施されたチーム略称「STL」のフォントは、前述のバットと鳥のロゴが誕生する前の1920〜21年に使用されていた字体を採用。ユニフォームの裾に記された「ST.LOUIS CARDINALS」も同様のフォントを使用している。
初着用日となった5月25日のカブス戦、ヌートバーは8回裏に適時三塁打を放つなど、3安打1打点1盗塁の活躍でチームの勝利に貢献した。今季このユニフォームを着用するのは、9月8日のマリナーズ戦、9月20日のガーディアンズ戦と残り2試合だけ。「The Lou」から熱い試合を届けてほしい。