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【日本人選手の月間通信簿8月 投手編】地区首位、ワイルドカード獲得に向けて力投した日本人投手の8月

2024.9.5 17:18 Thursday

 ワイルドカード獲得に向けてチームが正念場を迎えた8月にトレード・デッドラインでアストロズに移籍した菊池。そして、その他の日本人投手の成績を振り返り、独断で通信簿としてA~Eの5段階で評価。PS(ポストシーズン)進出に欠かせない投手たちの復帰にも迫る。

 7月29日(日本時間30日)、マイナー選手3人とのトレードでアストロズは菊池雄星を獲得。その時点ではマリナーズとの熾烈な首位争いが続いていたが、菊池加入後はアストロズが地区首位を快走している。

菊池雄星(アストロズ) GRADE:A
3勝0敗 防御率2.57 奪三振47 WHIP0.94

 8月2日(同3日)に移籍後初登板を飾った菊池は、5回2/3を投げて3安打2失点、球団記録に並ぶ八者連続三振を奪うも勝ち負けはつかず。8月7日(同8日)と13日(同14日)で2連勝、31日(同9月1日)には今季7勝目を挙げたが、勝ち星がつかなかった試合でも菊池が登板した6戦すべてでアストロズは勝利した。

 菊池は今季前半の不調が嘘のように快投を続け、勝利、奪三振、WHIP(投球回あたり与四球・被安打数合計)で今季の自己月間トップ。奪三振は8月リーグ1位をマークした。4年連続地区優勝を目指すアストロズにとって欠かせない投手となった菊池の評価は、もちろん「A」だ。

今永昇太(カブス) GRADE:B
3勝1敗 防御率3.68 奪三振37 WHIP1.01

 8月1日(同2日)のカージナルス戦では6回2/3で4失点を許すも、チームは逆転勝利。6日(同7日)のツインズ戦では7回2失点、自己最多タイの10奪三振で9勝目を挙げたが、18日(同19日)のブルージェイズ戦では5回1失点も2ヶ月ぶりの3敗目。しかし、24日(同25日)のマーリンズ戦で7回2失点と好投。メジャー1年目で2ケタ勝利を挙げたのは日本人9人目となった。30日(同31日)のナショナルズ戦でも勝ち星をマークし、チームのワイルドカード争いに貢献している。

松井裕樹(パドレス) GRADE:B
1勝0敗 セーブ0 防御率3.38 奪三振17 WHIP0.83

 7月14日(同15日)から8月7日(同8日)まで9試合連続無失点と完璧な中継ぎを続けた松井。ところが、8日(同9日)のパイレーツ戦で本塁打を浴びて10試合ぶりに失点すると、11日(同12日)のマーリンズ戦でも被弾して連続失点。その後3試合で再び無失点も、24日(同25日)のメッツ戦でまたも被弾で失点と、本塁打による失点が目立った。パドレスがPSに進むうえで欠かせない存在である松井。8月の評価は少し厳しいが、「B」とした。

前田健太(タイガース) GRADE:B
1勝1敗 防御率4.24 奪三振21 WHIP1.29

 先発からリリーフに回った前田は、8月3日(同4日)は3回2/3、9日(同10日)は4回2/3、15日(同16日)は5回2/3とロングリリーフをこなすも勝ち負けはつかず。22日(同23日)のカブス戦では5回6失点で6敗目を喫するも、28日(同29日)のエンゼルス戦では4回1/3を2失点(自責点0)で3ヶ月ぶりの3勝目をマークし、ワイルドカードを狙うチームの6連勝に貢献した。

ダルビッシュ有(パドレス)登板なし

 9月2日(同3日)にはブルペンで投球開始。4日(同5日)のタイガース戦で復帰した。

山本由伸(ドジャース)登板なし

 9月3日(同4日)、マイナーAAA級で2度目のリハビリ登板を行った。53球を投げ、最速96.7マイル(約155.6キロ)をマーク。復帰も近い。

千賀滉大(メッツ)登板なし

 8月30日(同31日)にはキャッチボールを再開。最短で9月25日(同26日)に復帰が可能で、終盤に復帰する可能性が見込まれている。

藤浪晋太郎(メッツ)登板なし

 メッツ傘下マイナーAAA級で8月は8試合で12回を投げ、3安打2失点、4四球、14奪三振、WHIP0.58と好投。フォーシームの最速は98.7マイル(約158.8キロ)を計測した。

上沢直之(レッドソックス)登板なし

 レッドソックス傘下マイナーAAA級で8月は4試合で9回1/3を投げ、11安打8失点、6四球、6奪三振、WHIP1.82の成績で、メジャー再昇格を目指す。

 シーズンも残り1ヶ月。ヒリヒリする9月のために、腕を振り続ける日本人投手。故障で戦列を離れている投手も、PSでの勝利に欠かせない存在として復帰が迫っている。日本人選手が在籍するチームは、今季どこもPS進出の可能性を残しているだけに、9月の活躍は不可欠だ。

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