【日本人選手の月間通信簿9月 投手編】偉業達成のルーキーに待望の復帰を果たした投手たち
2024.10.3 15:21 Thursday
日本人投手が所属する5チームがポストシーズン(PS)進出を決めた9月。PS進出を決めた投手、PS進出はならなかったが好投を続けた投手など、それぞれの成績を振り返り、独断で通信簿としてA~Eの5段階で評価した。
PS進出は逃したが、メジャー初年度で9月も好投を披露したカブスの今永昇太。日本人投手の左腕では最多の勝利数を記録するなど、MLBに大きなインパクトを与えた。
今永昇太(カブス) GRADE:A
4勝0敗 防御率1.67 奪三振26 WHIP0.85
9月4日(日本時間5日)のパイレーツ戦では、7回終了まで無安打に抑えて救援投手との継投ノーヒッターを達成し、12勝目を挙げた今永。その後も好投を続け、8月24日(同25日)から6試合連続で勝利。22日(同23日)のナショナルズ戦では、7回無失点で日本人1年目では松坂大輔に並ぶ3位タイの最多勝利記録を達成。1年目だけでなく、左腕では最多記録を更新した。
菊池雄星(アストロズ) GRADE:A
2勝1敗 防御率2.88 奪三振29 WHIP0.92
アストロズ移籍後、登板試合は9試合連続で勝利。9月も2勝を挙げると、3登板目も6回を1失点に抑え、勝ち星はつかずもチームは勝利。24日(同25日)のアストロズの地区優勝に大きく貢献した。25日(同26日)にチームの不敗神話は途切れ、移籍後初黒星を喫したが、8三振を奪い、日本人投手として6人目(左腕では初)となるシーズン200奪三振をマークした。
ダルビッシュ有(パドレス) GRADE:B
3勝0敗 防御率3.55 奪三振25 WHIP1.07
6月以降、左股関節痛で故障者リスト(IL)入りしていたダルビッシュが、約3ヶ月ぶりに復帰。9月4日(同5日)のタイガース戦では2回2/3を投げて4安打3失点2四球4奪三振。10日(同11日)のマリナーズ戦で5月19日(同20日)以来の5勝目を挙げ、日米通算201勝。22日には日本人で初のメジャー通算2000奪三振を達成し、27日(同28日)には今季7勝目(3敗)、日米通算で黒田博樹の最多記録に並ぶ203勝目をマークした。
山本由伸(ドジャース) GRADE:B
1勝0敗 防御率3.38 奪三振21 WHIP1.31
約3ヶ月ぶりの復帰登板となった9月10日(同11日)のカブス戦では、今永と投げ合い、4回3安打1失点(自責点0)、16日(同17日)のブレーブス戦でも4回無失点。28日(同29日)のロッキーズ戦では5回2失点で復帰後初白星の7勝目を挙げ、PSでの登板の可能性も見せた。
前田健太(タイガース) GRADE:C
0勝1敗 防御率5.68 奪三振15 WHIP0.95
ブルペン転向後は安定した投球を続けている前田。9月も5日(同6日)のパドレス戦、8日(同9日)のアスレチックス戦では無失点も、シーズン最終戦では5失点で敗戦投手となった。チームは10年ぶりにPS進出を果たしたが、ワイルドカード・シリーズの登録からは外れた。
松井裕樹(パドレス) GRADE:C
0勝0敗 防御率9.00 奪三振6 WHIP1.75
9月28日(同29日)のダイヤモンドバックス戦で1イニングを無失点2奪三振と好投したが、9月は最初の2試合でともに被本塁打1、失点2と調子を落とした。しかし、チームはドジャースとの頂上決戦で、最後は三重殺でPS進出を決めている。
千賀滉大(メッツ)登板なし
9月24日(同25日)に復帰が予想されたが、リハビリ登板で上腕三頭筋の張りを訴え、レギュラーシーズン中は復帰できず。チームは地区シリーズに進んだ場合、千賀が復帰する可能性があることを明らかにしている。
藤浪晋太郎(メッツ)登板なし
メッツ傘下AAA級で9月に入ると、3試合連続で無安打無失点の好投。22日(同23日)には1回を無安打無失点、無四球2奪三振で今季7ホールド目を挙げた。
上沢直之(レッドソックス)登板なし
レッドソックス傘下AAA級で9月5日(同6日)の登板で右ひじを負傷。シーズン終了を待たずして日本へ戻った。
レギュラーシーズン中に復帰を果たした投手に、優勝への救世主となった投手など、PSでも9月のような好投が期待される投手たちから目が離せない。