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ヤンキース対ガーディアンズのALCS展望 通算7度目の決戦へ

2024.10.14 14:06 Monday

 日本時間10月15日から、ア・リーグ優勝決定シリーズが開幕。第1シード・ヤンキースが中地区覇者の第2シード・ガーディアンズを迎え撃つ。アーロン・ジャッジ、ホセ・ラミレス、フアン・ソトといったトッププレイヤーが登場する注目のシリーズを展望する。

◆先発予定・予想(ガーディアンズ対ヤンキース)
第1戦 アレックス・カッブ 対 カルロス・ロドン
第2戦 タナー・バイビー 対 ゲリット・コール
移動日
第3戦 マシュー・ボイド 対 クラーク・シュミット
第4戦 ブルペンデー 対 ルイス・ヒル
第5戦 カッブ 対 ロドン
移動日
第6戦 バイビー 対 コール
第7戦 ボイド 対 シュミット

◆ヤンキースシーズン成績(順位は30球団/勝ち残りチーム中)
OPS.761(3位) / .693(2位)
先発防御率3.85(11位) / 4.43(3位)
救援防御率3.62(6位) / 0.00(1位)

◆ガーディアンズシーズン成績(順位は30球団/勝ち残りチーム中)
OPS.703(17位) / .638(4位)
先発防御率4.40(24位) / 1.96(1位)
救援防御率2.57(1位) / 3.16(3位)

 ヤンキースとガーディアンズ(旧インディアンス)のプレーオフにおける対戦は史上2番目に多い7回目。直近3回の対戦ではいずれもヤンキースが勝利し、今年もヤンキース有利との予想が多くなっている。

 ヤンキースとガーディアンズの最大の差は打線だ。ヤンキースの打線はア・リーグ最強レベル。59本塁打を放ったアーロン・ジャッジが打線の核だが、ジャッジは地区シリーズで13打数2安打と沈黙。しかし、その脇を固める打者が奮起し、地区シリーズでロイヤルズを下した。特に地区シリーズではジャンカルロ・スタントンがOPS1.132、再三の殊勲打を放つ大暴れ。さらにシーズン41本塁打のフアン・ソト、そして1番のグレイバー・トーレスも堅調で、ジャッジ不調の穴を埋めた。

 一方のガーディアンズは、シーズン中のチームOPSも.703と平凡。ヤンキース打線と比べると、やや見劣りする。しかも地区シリーズでは、ジャッジが沈黙したヤンキースのように、チーム最強打者のホセ・ラミレスが低調だった。それでも、1番のスティーブン・クワンが打率.524と大爆発。加えて、下位打線のブライアン・ロキオ、タリック・スクーバル(タイガース)に決勝満塁弾を浴びせたレーン・トーマスなどが奮起し、ラミレス不調の穴を補った。

 一方で、両チームにとって共に強みとなっているのは、ブルペンだ。しかし、その実情は2球団で異なる。

 ガーディアンズのブルペンはシーズン中はMLBダントツの防御率2.57を記録。防御率0.61の絶対的守護神エマニュエル・クラセ、奪三振力が武器の新人ケイド・スミスらを筆頭に防御率1点台以下が5人(30回以上)と、これ以上ないほど盤石だ。地区シリーズではクラセが捕まる場面もあったものの、ブルペンを早めにつぎ込む継投プランが奏功し、シリーズ突破を手繰り寄せた。

 対するヤンキースブルペンは、プレーオフでまた1点の自責点も許していない。特にルーク・ウィーバーとクレイ・ホームズの新旧クローザーコンビは鉄壁だ。

 しかし、ガーディアンズのブルペンが地区シリーズで25.2回(5試合)を消化したのに対し、ヤンキースブルペンは15.2回(4試合)。ヤンキースはその分、先発投手が長いイニングを投げているとはいえ、ブルペン単体で見ればウィーバー&ホームズへの依存度が高い。手駒の多さという面では、やはりガーディアンズに軍配が上がるかもしれない。

 結局のところ、打力では明確に水をあけられ、強みのブルペンではヤンキースブルペンにそこまで差をつけられていない現状、ガーディアンズはやはり不利だ。

 ただ、ガーディアンズにとって朗報なのは、懸念されていた先発ローテが踏ん張っていることだ。1番手タナー・バイビーは8.2回を2失点、左腕マシュー・ボイドは6.2回無失点と、少なくとも2人の計算できる先発投手が確立された。

 打ち合いになっては到底不利なガーディアンズは、なんとしても接戦に持ち込む必要がある。ブルペンのフル回転で乗り切れた地区シリーズとは異なり、最大7戦のリーグ優勝決定シリーズでは先発投手がイニングを消化する必要がある。そして、打線もヤンキースの先発を打ち崩し、ロースコアのブルペン勝負に持ち込むのが理想だろう。

 一方で、ヤンキースとしては横綱相撲に持ち込みたいところだ。そのためには地区シリーズでは2試合にわたって好投したゲリット・コールら、先発投手の働きが鍵を握る。先発投手がまとまったイニングを投じ、ガーディアンズとの真正面でのブルペン勝負を避けられることができれば、勝ち筋は見えてくる。また、仮に先発が打ち崩される事態に陥っても、ジャッジが本来の実力を発揮し、リーグ最強の打線が目覚めれば、突破の公算は大きいはずだ。

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