【敗れざる者②】王手をかけた試合からまさかの沈黙 後半戦最強チームがDSで敗退
2024.10.14 22:12 Monday
ポストシーズン(PS)5試合で11本塁打、シーズン後半戦両リーグ最多の43勝を挙げた最強チーム・パドレスの快進撃はPSでも止まらないかと思われた。同地区ライバル・ドジャースとの地区シリーズ(DS)第3戦の2回にまたも打線は爆発したが、その直後から……。
後半戦の快進撃で2年ぶり8度目のPS進出を、ドジャースとの頂上決戦で勝ち取ったパドレス。最後のトリプルプレーは、まさにパドレスの勢いを象徴する劇的なシーンとなった。
まだワールドシリーズ制覇は経験していないが、悲願達成に向けて挑んだワイルドカード・シリーズ(WCS)では、ブレーブスを相手に2連勝を収め、同地区ライバルとしてシーズン最後までペナントを争ったドジャースが待つ地区シリーズ(DS)へと駒を進めた。
第1戦は初回にマニー・マチャドの一発でパドレスが先制するも、地区チャンピオンの意地を見せたドジャースが7対5で乱打戦を制した。その後の2試合はパドレスの強力打線が本領を発揮。第3戦、パドレスは初回に先制されるも、2回裏にはフェルナンド・タティスJr.の2ランなど、一気に6点を奪い、地区シリーズ突破に王手をかけた。
しかし、その回以降、自慢の打線が沈黙。そのまま24イニング連続無得点を喫してDSで敗退となった。ダルビッシュ有と山本由伸の日本人投手2人による投げ合いとなった第5戦、ダルビッシュは6回2/3を被安打3、ソロ本塁打2本による2失点に抑え、打線の援護を待ったが、この日もヒーローは登場しなかった。パドレス打線は山本から2安打、続く4投手からは無安打に抑えられてしまった。シリーズ最後の2試合のパドレス打線は、62打数9安打、四球3、長打は2本のみ。特にシリーズでは総動員となったドジャースのリリーフ陣に対して打率.202、第2戦の2回に挙げた6得点のみと、相手の投手リレーに抑えられた。
2023年11月に球団オーナーのピーター・サイドラー(オマリーの甥)が死去し、胸に「PS」のパッチをつけてワールドチャンピオンを目指したパドレス。その思いからチームは一丸となった。シリーズ終了後、マチャドは「これほど結束力のあるチームに所属したことはなかったと思う。私たちは特別なチームだった」と語った。タティスJr.は「タイミングが悪かったと言わざるを得ない」と振り返るも、未来については「可能性は無限大。毎年優勝の扉を叩くことになると確信している。待ちきれないよ」とすでに前を向いていた。