【敗れざる者③】13年ぶりに最高のシーズンを送るも自慢の投打が実力を発揮できず
2024.10.17 13:48 Thursday
シーズン前半戦で両リーグトップの62勝(34敗)を挙げ、5連覇を飾った2011年以来、13年ぶりの地区優勝でポストシーズン(PS)に進出したフィリーズ。同地区3位、6ゲーム差のメッツとの地区シリーズ(DS)は、投打に勝るフィリーズが有利と思われたが、再び悪夢に襲われた。
シーズン打率.257、防御率3.85ともにリーグ4位と投打がかみ合い、ドジャースに次ぐ95勝(67敗)で3年連続PS進出を13年ぶりの地区優勝で勝ち取ったフィリーズ。2年連続ワイルドカードでPSに進出し、2022年はアストロズにワールドシリーズ第6戦で敗れ、2023年はリーグ優勝決定シリーズ(LCS)でダイヤモンドバックスに第7戦で敗退しているが、今季は世界一の本命にも挙げられていた。
DS第1戦は1回裏、先頭打者本塁打15本で歴代のシーズン記録を更新した、1番のカイル・シュワーバーがいきなり先頭打者アーチを放って先制した。
シーズン16勝の先発、ザック・ウィーラーは7回1安打無失点、9奪三振と好投。8回から自慢のブルペンにつないだが、2番手のジェフ・ホフマンが1四球2安打などで一挙5点を奪われ、メッツが勝利した。
第2戦は、シーズン11勝のクリストファー・サンチェスが5回5安打2失点、2番手のホセ・ルイーズもソロ本塁打を浴びたものの、その裏に3番のブライス・ハーパー、4番のニック・カステヤノスの連続アーチで同点に。8回にはブライソン・ストットのタイムリー三塁打などで3点を追加し、最後はサヨナラ勝ちを収めてシリーズを1勝1敗のタイとした。
第3戦は先発のアーロン・ノラが5回5安打4失点で、7回までに0対6とリードされ、8回にハーパー、カステヤノスの連続タイムリーで2点を返すがそこまで。そして、第4戦は先発のレンジャー・スアレスが5回途中5安打4四球も無失点に抑えていたが、6回に登板したホフマンが安打、四死球で満塁とし、代わった3番手のカルロス・エステベスがメッツの1番フランシスコ・リンドーアにグランドスラムを許して1対4の逆転負け。これでフィリーズの夢は絶たれた。
終わってみれば、自慢の上位打線はシリーズ4打点、2番のトレイ・ターナーに至っては打率.200、本塁打なし、打点なしに終わり、チーム合計でも12得点に終わった。しかも、強力だったブルペンはホフマン、エステベス、マット・ストラームの3人だけで12失点と投打がかみ合わず、大誤算となった。
2022年は、今回のメッツと同じワイルドカード3番手からワールドシリーズに進出したが、今回は逆に下剋上を許したフィリーズ。カステヤノスは「どのように始めるかではなく、どのように終わるかが重要なんだ」と語った。
リーグ屈指の先発ローテーションと堅実な打者陣を誇るフィリーズは、2025年もPSに進出する可能性が高い、今度こそプレッシャーに打ち勝ち、真の実力を証明しなければならない。