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【敗れざる者⑤】「ミラクル」から55年、再びの奇跡は175試合目で終焉を告げた

2024.10.24 12:23 Thursday

 レギュラーシーズン残り2試合でポストシーズン(PS)進出を決め、第6シードからリーグ優勝決定シリーズ(LCS)まで劇的な勝利で突き進んだメッツ。創設7年目に世界一となった「ミラクル・メッツ」の再来と注目されたが、175試合目で奇跡は終焉を迎えた。

 2024年シーズン最終日ではPS進出チームが決まらなかったナ・リーグのワイルドカード・レース。ハリケーンの影響で順延となったメッツとブレーブスの試合は、シーズン最終日の翌日にダブルヘッダーが行われた。その第1試合で同地区ライバルであるブレーブスを9回一死からフランシスコ・リンドーアの逆転2ランで破り、PS進出を決めたのがメッツだった。

 PS進出は2年ぶりだが、地区4位だった6月から快進撃を続けた奇跡は、1969年の「ミラクル・メッツ」の再来と注目された。1962年にエクスパンション(球団拡張)によって誕生したメッツは、2地区制になった創設7年目の1969年に優勝。PSではブレーブス、オリオールズを破り、ワールドシリーズ優勝を果たしたことで、「ミラクル・メッツ」と称された。

「奇跡」から55年、PSに進出したメッツは、ワイルドカード・シリーズ第3戦の9回一死からピート・アロンソの起死回生の逆転3ランでブリュワーズを撃破した。

 続く地区シリーズ(DS)は、今季リーグ最強と思われていたフィリーズを3勝1敗で下す。第4戦で勝利を決めたのは、6回にリンドーアが放った逆転グランドスラムだった。

 勢いそのままに挑んだLCSでは、1勝3敗と崖っぷちに立たされた第5戦、初回にアロンソの3ランで先制すると12対6で快勝。しかし、「ミラクル」は今季175試合目となった第6戦で終焉を迎えた。

 今季でFAとなるアロンソは、「我々が乗り越えてきたこと、兄弟のようになったことなど、誇るべきことはたくさんある」と語った。また、リンドーアも「チームとしても個人としても、多くのことを成し遂げた。ここで何か良いことが起きていると心から信じている」と、満足のいくシーズンを振り返った。

 アロンソをはじめ、ムードメーカーとなったホセ・イグレシアスや投手陣の多くがFAとなり、移籍する可能性が高い。来季は劇的にロースターの顔ぶれは変わるかもしれないが、メッツの「ミラクル」はこれからも受け継がれていくに違いない。

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