【City Connect Uniforms解説⑪】ボルティモアのアート文化に触発された「隠れたおしゃれ」
2024.10.31 16:23 Thursday
2021年に導入されたシティコネクト・ユニフォーム。本拠地を置く地域の文化や特色をモチーフとしており、1つひとつのデザインに注目すると、チームと地域のつながりや歴史を感じられる。第11回は、裏地におしゃれなデザインが施されたオリオールズのユニフォームを紹介。
黒を基調とした一見シンプルなデザインだが、その内側には鮮やかなカラーが広がっている。アート文化に触発されたカラフルな模様は、ボルティモアを彩るさまざまな地域社会をイメージ。ユニフォームの内側にデザインが施されるのは、MLB初の試みだ。
前面には「Baltimore」、キャップには頭文字の「B」が刻まれている。オースティン・ヘイズ(現フィリーズ)は「ボルティモアでの試合で『Baltimore』と書かれたユニフォームを着るのは初めて。この街の象徴としてプレーできるのは光栄」とコメントしていた。太字の「Baltimore」のフォントは、メリーランド芸術大学のグローブ・コレクション&プレスや、地元のアートシーンから着想を得たもの。文字のなかにある斑点とその不完全さは、オリオールズとボルティモアが持つ気概を表している。
また、ユニフォームの左裾とキャップのスウェットバンドには「You Can’t Clip These Wings(翼を切り取ることはできない)」のフレーズが。これはボルティモア出身の詩人・エッセイストであるコンドワニ・フィデル氏の言葉で、ボルティモアの誇りと、街が持つ不屈の精神を表現したものだ。
2023年7月19日にオリオールズへトレードで加入した藤浪晋太郎(現メッツ)は、同年4試合でこのユニフォームを着用。計4回2/3を投げ、3安打2四球3奪三振1失点の成績だった。