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【日本人選手の2024年シーズン②】最下位からトップへ移籍でメジャー6年目の覚醒

2024.11.7 12:59 Thursday

 メジャー6年目で初のシーズン途中移籍。最下位から首位チームに移り、地区優勝に貢献する快投を披露した菊池雄星。日本人左腕最多の通算40勝、同左腕初の200奪三振達成など最高のシーズンを送った。

 メジャー5年目の2023年は自己最多の11勝を挙げ、ブルージェイズは地区3位ながらもワイルドカードでポストシーズン(PS)に進出。そして迎えた2024年シーズンは、開幕3戦目に先発も黒星スタート。その後もチームは低迷し、4勝9敗と勝ち星に恵まれなかった菊池を、常勝軍団が獲得に動いた。

 7月29日(日本時間30日)、アストロズは1対3のトレードで菊池を獲得。菊池は移籍会見で「優勝が狙えるチームに決まって興奮した。長いシーズンにしたい」と意気込みを語った。

 移籍後初登板となった8月2日(同3日)のレイズ戦では、勝ち星こそつかなかったが、5回2/3を投げて失点2、11三振を奪い、日本人投手タイの8者連続奪三振も記録。これは球団記録であり、球団デビュー戦での達成はメジャー史上初の快挙だった。

 その後も菊池の快投は続き、25日(同26日)のオリオールズ戦ではメジャー自己最速の98.8マイル(約159.0キロ)を記録。9月7日(同8日)には今季8勝目、メジャー通算40勝を挙げ、石井一久を抜いて日本人投手左腕最多勝を更新。さらに、25日(同26日)には自身メジャー初の200奪三振を達成。これは日本人投手6人目だが、左腕では初の達成者となった。

 しかも、菊池が投げた試合でアストロズは負けなかった。9月19日(同20日)までの9試合は全勝し、菊池も5勝をマーク。25日(同26日)の最終登板では敗戦し、移籍後初の黒星を喫したが、移籍後は5勝1敗、防御率2.70と好成績を残した。PSでは、タイガースとのワイルドカード・シリーズ(WCS)3戦目での先発が予定されていたが、チームが2連敗を喫して敗退したため、登板はならなかった。

 オフにFAになった菊池だが、11月5日(同6日)のGM会議でデイナ・ブラウンGMは「戻ってきてほしい」と再契約への意欲を語った。菊池自身もWCSで敗退後に「チャンスがあれば戻ってきたい」と残留を熱望している。来季、再び菊池はアストロズでマウンドに立つのか。このオフの動きも見逃せない。

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