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【データの世界②】ラストピッチで最速王! 奪三振王は与四球でも……

2024.11.7 13:16 Thursday

 勝利、防御率、奪三振、セーブなど投手にとって目標となるタイトルはあるが、記録には残るもののタイトルとは無縁の成績がある。今回のデータの世界は、2024年シーズンに投手が記録したあまり脚光を浴びないデータトップを紹介しよう。

 今季の最速王は、自身最終登板の最後の1球で計測した。メジャー2年目のエンゼルスのベン・ジョイスは、平均102.1マイル(約164.3キロ)の速球を武器に31試合に登板し、2勝0敗4セーブを挙げ、防御率は2.08、奪三振33の好成績を残した。自慢の速球も今季自己最速の104.8マイル(約168.7キロ)を2度記録し、8月7日にパイレーツのアロルディス・チャップマンが105.1マイル(約169.1キロ)のシンカーを記録するまで最速だった。

 そして迎えた9月3日のドジャース戦、2対2の9回に登板し、テオスカー・ヘルナンデスをライトフライ、ウィル・スミスを三振に打ち取り、トミー・エドマンはストライク2球で追い込んだあと3球目で空振り三振に。この投球が105.5マイル(約169.8キロ)をマークし、今季最速かつ、2008年の投球記録開始以来3番目の球速を記録。ジョイスはこの試合以降登板がなく、まさにシーズン最後の1球で速球王となった。

 奪三振率のメジャー最高はブレーブスのクリス・セールが記録した11.40だが、100球以上を投げた投手で見ると、1試合(9イニング)平均18.90を記録したのが、ロッキーズのライリー・パイントだ。

 2021年6月に引退を発表したが、翌2022年3月に撤回して現役復帰。2023年5月にはメジャーデビューを飾ったものの、11対5の場面で登板し、一死から2連続四球を与えると、タイムリー二塁打、さらに四球で降板と苦いデビュー戦となった。

 今季はケガもあり、マイナー降格もあったが、8月8~14日の3登板でいずれも1回2三振を奪っている。今季計7つの三振のうち、6つはスライダーで記録したもの。しかし、パイントの課題はコントロール。今季最終登板は、3対6の6回に登板し、いきなり三振を奪うも、死球、四球、死球、三振、本塁打、そして四球で、2/3回4失点で降板となるなど、与四球率13.50は今季100球以上投げた投手でメジャーワースト。奪三振、与四球の両方でトップとなった。

 来季はパイントの登板はあるか。名前だけでも覚えておいてほしい。

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