【日本人選手の2024年シーズン④】ファンやチームの期待を軽々と超えた7年目の大谷
2024.11.28 13:03 Thursday
昨シーズンは「投打二刀流」で自身2年ぶり2度目のMVPを満票で獲得した大谷翔平。メジャー7年目の今シーズンは肘の手術により「打者一本」でシーズンを送ったが、ファンだけでなく、チームの期待も軽々と超える活躍で、史上初の2年連続満票でMVPを受賞した。
メジャー7年目の大谷翔平は、2023年9月に受けた右肘の手術により、打者一本で「新天地」ドジャースでの1年目を迎えた。その契約金は、プロスポーツ選手史上最高額とされる10年総額7億ドル(約1015億円)に達した。
シーズン開幕戦をメジャー史上初の韓国で迎えたドジャースとパドレス。第1戦、パドレスの先発はダルビッシュ有。大谷は「2番・DH」で出場し、初打席は遊ゴロに打ち取られたが、3回の第2打席でライト前に新天地で初安打、すかさず次打者の初球で二盗を成功させた。
その後はアメリカで開幕を迎え、出場を続けた大谷。これまで最も遅かったシーズン第1号は2022年の出場8試合目だったが、今季初の本塁打が出たのは9試合目のジャイアンツ戦だった。
しかしこの日から、4月の24試合では打率.367、7本塁打、16打点、4盗塁。4月21日(日本時間22日)には、松井秀喜の通算175本塁打を超え、日本人最多の通算176本塁打を達成するなど快進撃が始まった。
オールスターファン投票では、フィリーズのカイル・シュワーバーとの最終投票で63%の票を集めて4年連続4回目の先発出場。第2打席は、ライトスタンドへの本塁打。日本人では、2007年イチローのランニングホームランに次ぐ本塁打となったが、スタンドインは日本人初となった。
前半戦を打率.316、117安打、23二塁打、4三塁打、29本塁打、69打点、75得点、23盗塁で終え、本塁打、OPSはリーグトップで折り返した大谷。7月25日(同26日)のジャイアンツ戦では日米通算250本塁打を達成し、8月17日(同18日)のカージナルス戦では全30球団からのホームランを達成。この時点で38本塁打、37盗塁を記録した。
そして、8月23日(同24日)のレイズ戦では、4回に40盗塁目を決め、9回二死満塁から自身初のサヨナラ満塁本塁打でメジャー史上6人目の「40-40」を、出場126試合目の史上最速で達成した。
さらに9月19日(同20日)のマーリンズ戦。2盗塁を決めて51盗塁に達すると、その後の3打席連続本塁打で球団歴代最多のシーズン51本塁打、メジャー史上初のシーズン「50本塁打&50盗塁」の「50-50」を達成した。
この試合で日本人最多のシーズン120打点を記録し、チームはポストシーズン進出を決めた。「ヒリヒリした」9月を終え、本塁打(54)、打点(130)の二冠を獲得。ワールドシリーズ制覇に大きく貢献した。MVP投票では、史上初の「3度目の満票」「リーグをまたいで2年連続」「指名打者専任」での受賞となった。
毎年、我々の想像を超える活躍でメジャーを盛り上げる大谷。2025年は再び「投打二刀流」が帰ってくる。来季はどのような活躍を見せてくれるのか。しかし、どのような偉業でも我々はもう驚かない。なぜなら、それが大谷だから。