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【City Connect Uniforms解説⑬】シアトルで100年以上続く野球の歴史が凝縮

2024.11.28 13:19 Thursday

 2021年に導入されたシティコネクト・ユニフォーム。本拠地を置く地域の文化や特色をモチーフとしており、1つひとつのデザインに注目すると、チームと地域のつながりや歴史を感じられる。太平洋岸北西部のシアトルに本拠地を置くマリナーズは、このユニフォームを通して、地域で続く100年以上の野球の歴史に敬意を表した。

 1940年代に存在したニグロ・リーグのシアトル・スティールヘッズ、マイナーリーグの1つ、パシフィックコースト・リーグで1955年に優勝したシアトル・レイニアーズ、1969年の1シーズンのみ存在したシアトル・パイロッツ(現ミルウォーキー・ブリュワーズ)、そしてシアトル・マリナーズ。シティコネクト・ユニフォームに使用されている配色やデザインは、これらのチームから着想を得ている。

 ラッシュブルー、サンダウン、アマリロといった色は、マリナーズとパイロッツの創設時のキーカラーだ。パンツのベースとなっているブラックは、スティールヘッズのユニフォームが由来に。

 キャップにはラッシュブルーとブラックが使われているが、この2色の組み合わせを採用したのはシアトルの野球チーム史上初めてのことだった。ロゴマークは、ホームラン・セレブレーションでも登場するトライデント(三叉槍)が現代風にアレンジされている。

 ユニフォームの前面に大きく書かれた「Seattle」のフォントはパイロッツを彷彿とさせ、文字にドロップシャドウが施されているのはレイニアーズから。袖の「PNW(Pacific Northwest)」パッチに描かれたマウントレイニアもレイニアーズの象徴だ。また縁には、パイロッツのキャップに施されていた葉の装飾が。これは地域の海事と航空産業を称えている。

 ユニフォームには2つの有名なフレーズも記されている。1つは、襟の内側に配された「Sodo Mojo」という言葉。マリナーズのホームタウンであるソド地区を祝したものだ。そしてもう1つは、「My Oh My」である。数々の名実況を残したマリナーズの名物アナウンサーで、殿堂入りも果たしているデーブ・ニーハウス氏のお決まりのフレーズだった。

 シアトルの野球チームの歴史が詰まったこのユニフォームは2023年に発表。来年までの3シーズンにわたり、金曜日のホームゲームで着用される予定だ。

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