【2025年殿堂入り候補紹介②】怒涛の記録ラッシュに沸いたイチローの10シーズンの足跡
2024.12.2 18:18 Monday
MVPと新人王を26年ぶり史上2人目のダブル受賞。首位打者、盗塁王のタイトルのほか、ゴールドグラブ賞、シルバースラッガー賞なども受賞したイチロー。その年から10年間は怒涛の記録ラッシュが続いた。その足跡を振り返ってみよう。
メジャー2年目の2002年は、リーグ最多の27敬遠と勝負を避けられるも、2年連続で200安打を超え、打率はリーグ4位の.321を記録。2003年の5月にはメジャー通算500安打を達成するなど、異次元のスピードでヒットを量産し続けるイチロー。そして迎えた2004年。「Unbreakable Records(=破るのが困難な記録)」とされていた記録をついに破った。
5月に日米通算2000安打を史上最年少30歳6ヶ月で達成したイチローは、その月に自身2度目の月間50安打も記録。7月には月間51安打でジョー・メドウィック以来68年ぶりとなるシーズン2度の月間50安打を達成すると、8月26日(日本時間27日)にはメジャー史上初となるデビューから4年連続200安打を本塁打で達成するなど、自己最速ペースでヒットを量産した。
シーズンも残り3試合となった10月1日(同2日)のレンジャーズ戦。前日まで10試合連続で安打を記録し、シーズン256安打に到達していたイチローは、第1打席でヒットを放ち、1920年にセントルイス・ブラウンズ(現オリオールズ)のジョージ・シスラーが打ち立てたシーズン257安打に84年ぶりに並んだ。
そして0対2でリードされた3回裏、先頭のイチローが打席に。シスラーの親族も見守るなか、フルカウントからの6球目をセンター前に運び、記録を更新。直後に試合は中断され、花火も打ち上げられるなか、同僚が駆け寄り、抱き合うと、イチローの瞳には涙がにじんでいた。
その後もイチローの記録ラッシュは止まることなく、2006年9月のロイヤルズ戦でメジャー史上3人目となる6年連続200安打。さらに、7年連続出場となった2007年のオールター・ゲームでは、史上初のランニング本塁打を含む3安打2打点の活躍で、オールスター・ゲームMVPも受賞した。
2009年には史上最速の9シーズン目でメジャー通算2000安打を達成。9月にはウィリー・キーラーが持っていた8年連続200安打を108年ぶりに更新する9年連続を達成すると、2010年には10年連続と自身の記録を塗り替えた。
10度のシーズン200安打はピート・ローズと並ぶメジャー史上最多タイ記録。デビューから10シーズンを終えて、「打率3割」「200安打」「オールスター・ゲーム選出」「ゴールドグラブ賞」を10年連続でクリアしてきた。今回の殿堂入りには十分な実績をあげてきたイチローだが、次回はイチローがメジャーリーグにもたらした、記録だけではない功績についてお伝えする。