English Español 韓国語

【日本人選手の2024年シーズン⑤】悪夢のデビュー戦と負傷を乗り越えた日本のエースの濃厚な1年

2024.12.5 12:01 Thursday

 オリックスで3年連続投手四冠、沢村賞、最優秀選手(MVP)を受賞した日本プロ野球(NPB)の「絶対的エース」が満を持してメジャーリーグに挑戦。その1年目は、デビュー戦1回降板や負傷離脱を経ながらのワールドチャンピオンと、激動のシーズンだった。

 NPBでは3年連続で投手のタイトルを総なめし、メジャーリーグのサイ・ヤング賞にあたる「沢村栄治賞」やMVPも受賞した山本由伸が、メジャーリーグの投手では史上最高額の12年総額3億2500万ドル(約465億円)の契約でドジャースに移籍。メジャー史上初の韓国で行われた開幕シリーズの2戦目でメジャーデビューを果たした。

 その初登板は被安打4、5失点により、わずか1回で降板。43球中ストライクは23球と自慢の制球力が機能せず、「コントロールがうまくできず、そこから失点につながってしまった」とほろ苦いデビューとなった。

 だが、その後はアメリカでの開幕カード3戦目で再び登板すると、5回を被安打2、無失点、奪三振5と修正力の高さを見せ、3登板目のカブス戦では同じく5回で被安打3、無失点、奪三振8でメジャー初勝利をマークした。

 デビュー戦以降の13試合では6勝1敗、防御率2.34、奪三振82と好投したが、6月15日(日本時間16日)のロイヤルズ戦で2回28球を投げ終えたところ、上腕三頭筋の張りで降板。その後は故障者リスト(IL)に入り、およそ3ヶ月戦線離脱した。

 復帰登板となった9月10日(同11日)のカブス戦では4回を投げ、被安打3、失点1(自責点0)、無四球で奪三振8と復活を果たした。

 復帰後はポストシーズンを見越して80球以内の登板が続き、4試合負けなしの1勝、16回を投げて防御率3.38を記録した。終わってみれば、18試合、90回を投げて7勝2敗、防御率3.00、奪三振105。防御率は90イニング以上でリーグ11位、奪三振率10.50はリーグ7位とまずまずの1年目を終えた。

 ポストシーズンでは、4試合に登板して2勝0敗、防御率3.86でワールドシリーズ制覇に貢献。ワールドシリーズ第2戦では6回1/3を投げ、被安打1、失点1、奪三振4で、日本人では2007年の松坂大輔(レッドソックス)以来となるワールドシリーズでの白星を挙げた。

「本当にあっという間、いろんなことがあって濃い1年でした。最高な形で終われて良かった」と1年目を振り返った山本。「終わり良ければすべて良し」とは言われるが、来季は大谷もマウンドに戻ってくるなか、1年を通してメジャーでも「無双」のピッチングを再び披露することができるか。3月に行われるカブスとの日本開幕戦では、凱旋登板の可能性もある山本のマウンドは今から楽しみだ。

spotvnow