【2025年殿堂入り候補紹介③】野手初の満票選出が注目されるイチローの貢献度
2024.12.5 12:16 Thursday
メジャー通算3089安打、前人未到の10年連続200安打&シーズン262安打など、記録では十分に殿堂入りの資格を有しているイチローだが、貢献度の高さでも評価されることで満票選出の偉業が期待されている。
殿堂入りには、BBWAA会員資格者から投票で75%以上を得ることが条件だが、対象初年度のイチローは、満票での選出が注目されている。これまで満票で選出されたのは、ヤンキースの守護神で活躍したマリアーノ・リベラのみ。ケン・グリフィーJr.が3票漏れ、ヤンキースのデレック・ジーターは1票漏れと、野手では誰1人達成していない偉業でもある。
2001年から2012年までマリナーズで数々の偉業を達成してきたイチローだが、7月に自ら移籍を志願し、1対2のトレードでヤンキースへ移籍。電撃発表があった当日、シアトルで行われた試合で「8番・右翼」で先発出場すると、球場全体がイチローの新たな船出を温かく見送った。
2014年オフにはFAとなり、2015年はマーリンズと契約。その年の10月には投手として初登板し、2016年8月には、ピート・ローズと並び史上最速タイの16シーズン目で3000安打到達。同一シーズンにメジャー通算3000安打と500盗塁を達成したのは史上初の快挙となった。
さらに、2018年には古巣のマリナーズに復帰。自身5年ぶりとなる開幕戦スタメン出場を果たすと、セーフコ・フィールドのレギュラーシーズン歴代最多の4万7149人の観衆が詰めかけ、地元の英雄の復帰をスタンディング・オベーションで歓迎した。2019年はマイナー契約からスタートしたが、3月にメジャー契約を結び、3月20~21日に東京ドームで行われたアスレチックスとの開幕シリーズに凱旋出場。21日に引退を発表した。
記録だけでなく、メジャーリーグの人気を牽引し続け、メジャーリーグの歴史までも変えてきたイチロー。米公式サイト「MLB.com」ではシアトルの番記者であるダニエル・クレイマー氏が、シアトルで行われた2023年のオールスター・ゲーム前に語ったイチローのコメントを紹介した。
「例えば、人々は私がMLBで見せたパフォーマンスから日本の野手を評価するでしょう。そのことを本当に心に留めていました。もちろん、失敗は許されないと確信していた」
イチローは、この後に続いた松井秀喜や大谷翔平たちへの道を拓き、現在はマリナーズで会長付特別補佐兼インストラクターとして、球団の将来を担うフリオ・ロドリゲスら若手の育成にも貢献している。
偉大なる記録とともに球界にも大きく貢献してきたイチロー。史上屈指の好打者であり、世界のファンを楽しませることができる稀有な選手として評価されるイチローに対し、投票資格者はどのような決断をするのか。注目の投票結果は日本時間来年1月22日に「MLBネットワーク」の中継にて発表される。