ディック・アレンとデーブ・パーカーが時代委員会の投票で殿堂入り
2024.12.9 16:44 Monday
日本時間12月9日、テキサス州ダラスでウィンター・ミーティングがスタート。その初日は、時代委員会による殿堂入り投票が行われ、ディック・アレン(1972年ア・リーグMVP)とデーブ・パーカー(1978年ナ・リーグMVP)が見事に殿堂入りを果たした。時代委員会による殿堂入り投票では、選考委員16人から得票率75%以上(=12票以上)を獲得することが必要。アレンは13票、パーカーは14票を獲得し、BBWAA(全米野球記者協会)による記者投票では果たせなかった殿堂入りを決めた。
時代委員会による殿堂入り投票は、BBWAAの殿堂入り投票から漏れた有力者を救済するものであり、今年は1980年以前に活躍した選手8人が候補となっていた。「トミー・ジョン手術」にその名を残す通算288勝の左腕トミー・ジョンは7票にとどまり、今回も殿堂入りを果たせず。残りの4人(ケン・ボイヤー、ジョン・ドナルドソン、スティーブ・ガービー、ビック・ハリス)はいずれも5票未満だった。
アレンはメジャー15年間で通算1749試合に出場し、1848安打、打率.292、351本塁打、1119打点、133盗塁、OPS.912をマークした強打者。フィリーズ時代の1964年に新人王、ホワイトソックス時代の1972年にMVPを受賞したほか、オールスター・ゲームには7度選出された。1964~78年の11年間で記録したWAR(68.3)は同期間のメジャー1位。通算1848安打という数字が示すように、積算系のスタッツが弱かったため、BBWAAの投票では殿堂入りを果たせなかったが、ようやく念願の殿堂入りとなった。なお、アレンは2020年12月に78歳で亡くなっている。
パーカーはメジャー19年間で通算2466試合に出場し、2712安打、打率.290、339本塁打、1493打点、154盗塁、OPS.810を記録。1978年のMVPを筆頭に、首位打者2度、オールスター・ゲーム選出7度、ワールドシリーズ制覇2度、ホームラン・ダービー優勝1度、シルバースラッガー賞3度、ゴールドグラブ賞3度と輝かしいキャリアを過ごし、1979年のオールスター・ゲームでは右翼からの好返球で2度の補殺を記録してMVPに選ばれた。現在73歳のパーカーは「このスピーチを15年間待ち続けたんだ」と喜びのコメント。BBWAAの投票では1度も得票率が25%を超えなかったが、時代委員会による投票で報われる形となった。
なお、2025年度の殿堂入りセレモニーは来年7月27日(現地時間)にニューヨーク州クーパーズタウンで行われる。また、BBWAAによる2025年度の殿堂入り投票の結果は来年1月21日(現地時間)に発表される予定だ。