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【City Connect Uniforms解説⑭】テキサスの地域と野球文化に縁のある「4.21」

2024.12.12 15:51 Thursday

 2021年に導入されたシティコネクト・ユニフォーム。本拠地を置く地域の文化や特色をモチーフとしており、1つひとつのデザインに注目すると、チームと地域のつながりや歴史を感じられる。クリーム色がレトロな印象を与えるレンジャーズのユニフォームは、テキサスの野球文化にフォーカスしており、ファンからも好評を集めた。

 2023年4月にレンジャーズのシティコネクト・ユニフォームが発表されると、本拠地グローブライフ・フィールドのチームストアには午前9時の開店前から多くのファンが殺到した。そのユニフォームのデザインは、130年以上前に創設されたテキサスの野球チームなどからインスピレーションを受けているものだ。

 まず、ユニフォームの右胸とキャップにあしらわれている「TX」のロゴ。これは、1950年代にかけてマイナーリーグに加盟していたダラス・イーグルスのフォントを参考にしたもの。ダラスとフォートワースという2つの都市を結び付け、アーリントンに本拠地を置いたマイナーリーグチーム「ダラス・フォートワース・スパーズ」を象徴する、拍車(スパー)も「TX」の文字に組み込まれている。

 右袖には「ピーグル」と名付けられた架空の生き物が。1888年から1959年までマイナーリーグに加盟していたフォートワース・パンサーズと、ダラス・イーグルスのマスコットを融合させたのだという。パンサーズは1920年代に6年連続でテキサスリーグのタイトルを獲得した偉大なチーム。1920年のチャンピオンシップメダルに記された数字のフォントをモチーフとし、ユニフォームの背番号がデザインされた。

 ジョグタグの上には「DREAM THE BIG DREAM.」という言葉。メジャー球団の誘致に尽力し、2004年にレンジャーズの殿堂入りを果たしたアーリントン市長トム・バンダーグリフの思いを反映している。

 黒を基調としたパンツには、ダラス・フォートワース・スパーズのオマージュが2点ある。スパーズのロゴをアレンジしたマークと、そのロゴに使用されているロープの模様をイメージしたパイピングラインだ。

 そして、テキサスとテキサスの野球チームにとって大切な日付「4.21」がキャップの側面に刻まれている。毎年「サンジャシントの日」として祝われる、テキサスが独立を勝ち取った1836年。テキサスで初めてチャンピオンシップゲームが開催された1868年。レンジャーズの初めてのホームゲームが行われた1972年。2023年はその日にシティコネクト・ユニフォームが初めて着用され、テキサスの4月21日にまた新たな歴史が加わった。

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