レッドソックスとマリナーズが吉田を含むトレードを協議も破談
2024.12.27 14:27 Friday
日本時間12月27日、MLB公式サイト「MLB.com」のマーク・フェインサンド記者が、レッドソックスとマリナーズが吉田正尚を含むトレードを協議していたものの、破談していたことを報じた。レッドソックスはマリナーズの先発投手ルイス・カスティーヨの獲得を目指していたが、吉田正尚を交渉に含めない限り、若手一塁手トリストン・カサスを放出することに消極的だったという。
フェインサンド記者によれば、レッドソックスは先発投手の補強を目指し、マリナーズとトレードを協議していたという。一塁手の補強が急務のマリナーズは、その対価として24歳のトリストン・カサスを求めていた。しかし、レッドソックスとしては3年5580万ドルの契約を残す吉田正尚をマリナーズに引き取ってもらえない限り、カサスを放出することに消極的だったという。
32歳のカスティーヨはオールスター3回選出の剛腕で、今季も30試合(30先発)で11勝12敗、防御率3.64の好成績を残していた。マリナーズは先発投手の防御率がMLB1位と、カスティーヨ抜きでもローガン・ギルバートやジョージ・カービーら優秀な先発投手を多く揃えている。予算的制約もある中、課題の打線を補強するため、先発陣では年俸が高額なカスティーヨ(残り3年7245万ドル)をトレードに出すことが噂されていた。
24歳のカサスは今季こそ故障の影響もあって63試合で13本塁打、OPS.800の成績。しかし、昨季は23歳で132試合で24本塁打、OPS.856を記録して新人王投票3位に入るなど、レッドソックス期待のホープだった。
一方、31歳の吉田正尚は、108試合で10本塁打、OPS.765という成績だった。レッドソックスは外野陣に、今季のオールスターMVPでシーズンMVP投票8位に入ったジャレン・デュラン、ゴールドグラブ初受賞のウィルヤー・アブレイユらが台頭。吉田の出場機会はDHに限定されていたが、打撃専門のDHとしては打撃成績が物足りない印象は否めなかった。また、レッドソックスと結んだ5年9000万ドルの契約も、現状ではやや割高な契約となってしまっている。
結局のところ、カスティーヨとカサスが軸のトレードではレッドソックスにとって不利だったものの、吉田を含めるとなると予算的に制約のあるマリナーズは首を縦に振り難い状況だったようだ。このトレードが破談になった後、レッドソックスはドジャースからFAとなっていた先発右腕ウォーカー・ビューラーと1年2105万ドルで契約。先日ホワイトソックスから獲得していた先発左腕ギャレット・クローシェを筆頭に、来季のローテーションは強力な陣容になりつつある。