【2025年殿堂入り候補紹介⑤】日米野球の架け橋となった「AJ」が迎えた殿堂入り資格初年度
2025.1.2 15:15 Thursday
MLBで10年以上プレーし、引退から5年後で殿堂入り有資格初年度を迎えた14名。その候補のなかには、MLBで14年、そして日本でも2年間プレーしたアダム・ジョーンズも。バリバリのメジャーリーガーから「本物」と称され、日本でも愛された「AJ」は殿堂入りなるか。
2003年のドラフト1巡目(全体37位)でマリナーズから遊撃手として指名を受けて入団。高校時代は投手でも活躍したことから、投手としても期待されたが、2005年に外野手に転向した。2006年7月にMLBデビューを果たすと、翌2007年から背番号を憧れのチッパー・ジョーンズと同じ「10」に変更。2008年にオリオールズへトレードで移籍し、正中堅手として花開いた。
オリオールズで11年、ダイヤモンドバックスで1年間プレーし、2007年から2017年までは中堅手または指名打者として出場、2011年から2017年は7年連続で25本塁打以上。2009年、2012~14年と4度ゴールドグラブ賞を受賞し、5度オールスター・ゲームに選出されるなど活躍した。
2019年12月にオリックス・バファローズへの入団が発表されると、現役バリバリのメジャーリーガーの加入から「本物」として話題となり、2013~14年に東北楽天で活躍したアンドリュー・ジョーンズに次ぐ、新たな「AJ」として、2021年のオリックスのリーグ優勝にも貢献。同年は代打打率.429をマークし、東京ヤクルトとの日本シリーズ第5戦、同点の9回に代打アーチ。これが選手として最後の安打・本塁打となった。また、日米通算2000安打、同1000打点も達成している。
引退後の2023年9月15日(日本時間16日)、古巣オリオールズと1日契約を結び、引退セレモニーが行われた。
オリオールズであらゆる球団記録の上位に名を刻んだ英雄は、同僚の吉田正尚や山本由伸のMLB挑戦を後押しするなど、日米の野球の架け橋ともなった。殿堂入りには、全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属している記者の投票で75%以上の投票が必要だが、得票率5~75%の候補者は次年にも持ち越される(10年間)。初代「AJ」のアンドリューは8年目、そしてアダムは初年度を迎えるが、2人の「AJ」は殿堂入りを果たすことができるか。すでに投票は締め切られており、結果は1月21日(同22日)に発表される。