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【MLB東京シリーズ展望➀】25年ぶりの日本開幕戦で来日 「ヤギの呪い」から解放された古豪

2025.1.2 15:25 Thursday

 3月18~19日に東京ドームで行われる日本開幕戦「MLB東京シリーズ」。MLB公式戦が開催されるのは6年ぶりだ。大谷翔平と山本由伸を擁するドジャースと、鈴木誠也と今永昇太を擁するカブスが激突するこの好カードをより楽しむための準備を始めよう。まずはカブスの歴史から。

 カブスは、1871年に組織されたナショナル・アソシエーション(全米プロ野球選手協会)の加盟チームとして、現存するチームではブレーブス(当時ボストン・レッドストッキングス)とともにシカゴ・ホワイトストッキングスとして誕生。その後、1901年にナショナル・リーグとアメリカン・リーグによるMLBが発足し、1907年と1908年にはワールドシリーズ2連覇を飾った。

 1945年にもリーグ優勝を果たし、2勝1敗で迎えたワールドシリーズ第4戦で事件が起きた。シカゴで飲食店のオーナーを務めるカブスの熱狂的ファンの「ビリー」ことウィリアム・サイアニスが、いつものようにペットのヤギを連れて観戦に訪れた際、入場を拒否された。ビリーは激高し、「ヤギの入場が許されない限り、カブスはワールドシリーズを制することはない」と捨て台詞を残した。それからカブスは、ワールドシリーズ制覇まで1世紀以上の時間を費やすことになる。これが「ビリー・ゴートの呪い」である。そして、その呪縛から解かれたのは、なんと108年後だった。

 2016年の3度目となるワールドシリーズ制覇を予言したとされるのが、1989年に公開された映画『バック・トゥ・ザ・フューチャー・PART2』だ。2015年の未来に行った主人公が「カブスのワールドシリーズ制覇」のニュースに驚くシーンがあった。1年違いではあったが、当時はそれほどカブスがワールドシリーズを制することはありえないと思われていた。

 また、MLB史上初の海外での開幕戦が行われた前年のメキシコに続き、2000年に日本でメッツとともに開幕戦を東京ドームで行った。1998年にマーク・マグワイアと歴史的な本塁打バトルを演じたサミー・ソーサを擁するカブス。対するメッツは、ボビー・バレンタインが監督を務め、主砲のマイク・ピアッツァ、「盗塁男」リッキー・ヘンダーソンなどタレントを擁し、日本での初の公式戦は、両日5万5000人のファンが詰めかけ、大いに盛り上がった。

 あれから25年、再びカブスが日本で開幕を迎える。前回は1勝1敗の好勝負を演じたカブス。日本人同士の対決だけでなく、日本でもファンの多い名門同士の対戦だけに、大いに盛り上がることは間違いない。

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