トーボーグ氏が83歳で死去 1990年にア・リーグ最優秀監督賞
2025.1.21 08:11 Tuesday
捕手として3度のノーヒッターを達成し、ホワイトソックス時代の1990年に最優秀監督賞を受賞したジェフ・トーボーグ氏が83歳で亡くなったことが明らかになった。トーボーグ氏は現役時代にドジャースとエンゼルスで合計10年間、捕手としてプレー。1965年にサンディ・コーファックスの完全試合、1973年にはノーラン・ライアンの1度目のノーヒッターを演出するなど、「捕手として通算3度のノーヒッター」はメジャー史上18人しか達成していない快挙である。
トーボーグ氏は1964年にドジャースでメジャーデビュー。7年間プレーしたあと、1971年からエンゼルスに移り、自己最多の102試合に出場した1973年が最後のシーズンとなった。メジャー10年間で通算574試合に出場し、297安打、打率.214、8本塁打、101打点、3盗塁、OPS.533。しかし、1965年のコーファックス(完全試合)、1970年のビル・シンガー、そして1973年のライアンと3度のノーヒッターを演出した。
捕手としてのノーヒッター達成回数は、カルロス・ルイーズとジェイソン・バリテックの4度が史上最多だが、3度達成したのもトーボーグ氏を含めて16人だけ。シーズン300打席以上が1度もない控え捕手でありながら、メジャーの歴史の一部に名を刻んでいるのは称賛に値する。
引退後は1975年にインディアンス(現ガーディアンズ)のコーチングスタッフに加わり、1977年の途中から1979年の途中まで監督を務めた。その後、ヤンキースのコーチを10年間務め、1989年にホワイトソックスの監督に就任。1年目は69勝92敗に終わったが、翌1990年に94勝68敗の大躍進を遂げ、ア・リーグ最優秀監督賞を受賞した。1991年までホワイトソックスの監督を務めたあと、4年契約でメッツの監督に就任したが、成績不振により2年目のシーズン序盤で解任。次に監督を務めたのは2001年のエクスポズ(現ナショナルズ)だった。
2001年の途中にエクスポズの監督となったトーボーグ氏だが、ジェフリー・ローリア・オーナーがエクスポズを手放してマーリンズを買収したため、トーボーグ氏もスライドする形で2002年からマーリンズの監督に就任。しかし、2003年の開幕38試合を消化した時点で16勝22敗と低迷し、解任された。なお、この年のマーリンズはジャック・マキーオン監督のもとで快進撃を続け、球団史上2度目のワールドシリーズ制覇を成し遂げている。
監督としては5球団で合計11シーズン指揮を執り、通算634勝718敗(勝率.469)。ポストシーズンには1度も進めなかった。1995~97年にはワールドシリーズで解説者を務め、1996~2000年と2004~05年は「FOXスポーツ」で解説を務めたことも。2006年にブレーブスの試合中継で解説者を務めたのが球界での最後のシーズンだった。