あす殿堂入り投票結果発表 史上2人目の「満票選出」なるか
2025.1.21 09:35 Tuesday
2025年度のアメリカ野球殿堂入り投票は昨年末に締め切られており、いよいよあす日本時間1月22日に結果発表が行われる。今回の殿堂入り投票で注目されるのが、有資格初年度での殿堂入りが確実視されるイチローの得票率だ。投票を済ませた各記者が公開している情報を独自に集計している「Baseball Hall of Fame Vote Tracker」によると、ここまで記者188人全員がイチローに投票。28人の候補者のなかで唯一、得票率100%を維持している。
殿堂入り投票は昨年末に締め切られており、日本時間1月22日午前8時から「MLBネットワーク」の番組内で結果発表が行われるが、投票を済ませた記者の一部はSNSや自身が所属するメディアなどで投票内容(誰に投票したか)を公表することが多い。それを非公式ながら集計しているのが「Baseball Hall of Fame Vote Tracker」だ。このサイトが集計したデータは、米公式サイト「MLB.com」の記事中でも使用されることがあり、もはや「準公式」と言ってもいいくらいの存在になっている。
日本時間1月21日午前9時の時点で、投票権を持つ記者188人分の投票内容が判明しており、推定開票率は48.0%である。殿堂入りには得票率75%が必要だが、現時点で当選ラインを超えているのはイチロー(100%)、CC・サバシア(93.6%)、ビリー・ワグナー(84.6%)、カルロス・ベルトラン(80.3%)の4人。実際の得票率は、事前に判明している得票率よりも低くなる傾向があり、イチローとサバシアの2人は安全圏だが、ワグナーとベルトランに関しては、最終的な結果が発表されるまでどうなるかわからない。現時点で得票率72.3%のアンドリュー・ジョーンズは今回の殿堂入りは厳しいだろう。
これまでに満票殿堂入りを果たしたのは、通算652セーブのメジャー記録保持者であるマリアーノ・リベラだけ(2019年殿堂入り)。野手ではまだ満票が1度もなく、2016年のケン・グリフィーJr.は3票、2020年のデレック・ジーターはわずかに1票届かなかった。なお、殿堂入り投票は同意した記者の分のみ、後日BBWAA(全米野球記者協会)の公式サイトで投票内容が公開されることになっている。同サイトによると、公開に同意した記者全員がグリフィーJr.とジーターに投票しており、この両選手に投票しなかった記者は「匿名」を貫いている状況だ。イチローも「匿名」の記者から票が入らず、満票を逃す可能性はあるが、少なくとも現時点では野手史上初の満票殿堂入りを成し遂げる可能性は残されている。
イチローは有資格初年度での殿堂入りが確実であり、アメリカでもメディアや世間の関心は「満票なるか」という点に集まっている。ちなみに、得票率95%以上での殿堂入りは過去19人。イチローは20人目となるだろうか。日本の野球殿堂入り投票での得票率92.6%を上回る可能性は極めて高いと思われる。