【日本人選手の新天地 ~菊池雄星~】地区最下位からの巻き返しへ本格派左腕に白羽の矢
2025.1.23 12:54 Thursday
2024年は63勝99敗と、チームワースト記録の勝率.389で地区最下位に終わったエンゼルスが、経験豊富なベテランを獲得し、巻き返しを図っている。その筆頭が、エースとして期待される菊池雄星だ。
メジャーデビューの2018年から在籍し、2021年9月には「ヒリヒリするような9月を過ごしたい」と大谷翔平が語ったように、2015年以降はポストシーズン進出がなく、2023年オフには大谷が去ったエンゼルス。2024年はチームワースト記録で地区最下位に終わったが、今季は投打ともに強化を図り、巻き返しに挑む。
2024年のエンゼルスはリーグ13位の打率.229、同13位の596打点、同11位の165本塁打など、大谷の抜けた穴は大きく、シーズンMVP3度の主砲マイク・トラウトが左ひざ半月板損傷のため4月でシーズンを終えたこともあり、打線の強化が急務であった。そこで、ワールドシリーズ終了から一夜明けた10月31日(日本時間11月1日)に、トレードでブレーブスからホルヘ・ソレアを獲得した。
ソレアは2014年にカブスでメジャーデビューし、2019年のロイヤルズでは48本塁打でタイトルを獲得。ジャイアンツ、ブレーブスなど11年間で通算191本塁打の実績を誇るパワーヒッターだ。ブレーブス在籍中の2021年はワールドシリーズMVPに輝いたが、そのとき三塁ベースコーチだったのが、現エンゼルス監督のロン・ワシントンである。若手中心の打線において、復活が期待されるトラウトとのベテラン3・4番コンビで強化を狙う。
また、投手力も防御率リーグ14位の4.56、特に先発陣はリーグワーストの4.97と崩壊状態だったが、11月6日(同7日)にはカブスからFAとなったカイル・ヘンドリックスと契約した。
ヘンドリックスはカブス一筋11年プレーし、2016年には16勝、リーグトップの防御率2.13でチームのワールドシリーズ制覇にも貢献。2ケタ勝利を4度達成したベテラン右腕だ。
さらに、11月27日(同28日)にはアストロズからFAとなった菊池を3年総額6300万ドル(約97億円)で獲得した。
昨季メジャー6年目の菊池は、ブルージェイズでは22試合で4勝9敗、防御率4.75だったが、7月のトレード・デッドラインでアストロズに移籍してからは、10先発で防御率2.70と安定感を増し、チームの地区優勝に大きく貢献。FA市場のなかでも高く評価されていた。
先発ローテーションは、菊池を筆頭に、ホセ・ソリアーノ、タイラー・アンダーソン、ヘンドリックス、そして5番手には2022年にノーヒッターを達成したリード・デトマーズら若手が入る形となる。
ベテラン勢の獲得で、現在30球団中最長の10年連続ポストシーズン進出なしから脱出し、「ヒリヒリした9月」を迎えることができるか。菊池の左腕には大きな期待がかかっている。