編成トップの交代を控えるカージナルス 複数年契約は回避か
2025.1.27 10:53 Monday
今オフのカージナルスはポール・ゴールドシュミット、アンドリュー・キットリッジ、ランス・リン、カイル・ギブソンといった主力選手がFAになった一方で、ここまで補強が全くない。これは編成トップの交代を控え、ロースターをなるべく白紙に近い状態にしてバトンタッチしたいというジョン・モゼラック編成本部長の意向が影響しているとみられる。地元紙「セントルイス・ポスト=ディスパッチ」のデリック・グールド記者によると、カージナルスが今オフ、複数年契約を結ぶ可能性はかなり低いようだ。
カージナルスは2008年からGM、2017年からは編成本部長としてフロントオフィスのトップを務めてきたモゼラック編成本部長が今季限りで退任することが決まっている。後任は昨季途中にアドバイザーとしてチームに加わったハイム・ブルーム氏。レイズやレッドソックスでフロントオフィスの要職を務めてきた人物だ。モゼラック編成本部長は最大限スムーズにバトンタッチが行えるように、今オフはロースターの「リセット」を画策。そうした事情もあり、なかなか補強が進まない状況が続いている。
カージナルスの現有戦力のうち、来季以降も契約が確定しているのはノーラン・アレナド、ソニー・グレイ、ウィルソン・コントレラスの3選手。この全員がトレード拒否権を持っており、グレイとコントレラスはカージナルス残留を希望したため、モゼラック編成本部長は現在、アレナドのトレード交渉に全力を尽くしている。FA前の最終年を迎えた守護神ライアン・ヘルズリーとの契約延長交渉が行われていないこと、年俸調停権を持つブレンダン・ドノバンやラーズ・ヌートバーとの複数年契約交渉が上手くいかなかったことも編成トップの交代を控えていることが影響している可能性がある。
編成トップの交代を控え、その後任がすでに球団内にいるという異例の状況だが、チーム編成を行ううえで、モゼラック編成本部長とブルーム氏の意見が一致する必要があるのだろう。今後はシーズン開幕に向けて、来季以降に影響を与えない単年契約での戦力補強を模索していくことになりそうだ。