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【日本人選手の新天地②~菅野智之~】若手の台頭で黄金期を迎えつつあるチームでの役割とは

2025.1.30 18:44 Thursday

 2020年のオフにポスティング制度でメジャー移籍を目指すも、契約合意に至らず巨人に残留した菅野智之の夢がようやく叶った。35歳の「オールド・ルーキー」が新天地に選んだのは、若手の台頭で黄金期を迎えつつあるオリオールズだ。

 巨人のエースとして沢村賞を2回受賞してきた菅野智之だが、残留した2021年は負け越し(6勝7敗)、2023年には右ひじの張りでプロ入り後初の開幕二軍スタートも経験した。それでも「今年ダメなら」という覚悟で挑んだ2024年に復活。再び最多勝を獲得し、自身3回目のMVPも受賞した。

 そして、今オフに海外FA権を行使して契約を結んだのがオリオールズだ。過去に3度ワールドシリーズを制したチームだが、2010年代後半からは低迷が続いていた。しかし、2023年にはリーグ最多の101勝で9年ぶりの地区優勝を達成すると、昨季はワイルドカードで2年連続ポストシーズンに進出。若手選手の台頭で黄金期を迎えようとしている。

 現時点の先発ローテーションは、2023年にレイズで16勝(最多勝)を挙げ、昨夏のトレード移籍後9試合の先発で5勝、防御率2.60をマークしたザック・エフリンを筆頭に、メジャー2年目の昨季13勝と結果を残したグレイソン・ロドリゲスが続く。

 3番手には、1月3日(日本時間4日)にブレーブスからFAで獲得したチャーリー・モートン。モートンは2017年にアストロズ、2021年にブレーブスでワールドシリーズ制覇を経験したメジャー18年目のベテランで、昨季は30試合で8勝10敗、防御率4.19だった。

 さらに、2023年に13勝を挙げるも昨季は左わき腹を痛めて出遅れ、8勝に終わったディーン・クレーマーが4番手。そして5番手に菅野が控える。

 若手の台頭が著しい打線は、2023年に満票でア・リーグ新人王を受賞し、昨季は打率.281、37本塁打、92打点でMVP投票4位となり、「MLBネットワーク」による2025年のポジション別ランキングでは遊撃手トップとなったガナー・ヘンダーソンをはじめ、昨季31本塁打を放ったタイラー・オニールをレッドソックスからFAで獲得した。

 菅野とバッテリーを組むのは若き司令塔、アドリー・ラッチマン。2019年ドラフト1巡目・全体1位でオリオールズに入団したメジャー4年目のラッチマンは、2023年にオールスター・ゲームに初選出されると、ホームラン・ダービーにも出場し、同年にシルバースラッガー賞も受賞した強打の捕手。同ポジション別ランキングでは、昨年1位だったが、今回も2位とメジャーを代表する捕手でもある。

 そのほかにも、ポジション別のプロスペクト・ランキング三塁手部門トップの長距離砲コビー・メヨ、捕手部門トップのサミュエル・バサヨら、注目のプロスペクトも揃っている。

 複数年契約を待つのではなく、単年での早期契約を選んだ菅野は、入団会見で「とにかく1年で勝負する」と語った。経験豊富な菅野と、急成長中の若手たちが融合することでどのような化学反応が起きるのか。35歳の「オールド・ルーキー」の活躍に期待がかかる。

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