パドレスがキングとの調停を回避 11年連続で年俸調停なし
2025.2.1 09:59 Saturday
2014年途中からパドレスのGMに就任したA・J・プレラー(現在は編成本部長)は過去1度も所属選手との年俸調停を行っていない。日本時間2月1日、右腕マイケル・キングとの年俸調停を回避し、これで「11年連続年俸調停なし」となることが確定した。地元紙「サンディエゴ・ユニオン=トリビューン」のケビン・エイシー記者によると、パドレスとキングは1年775万ドル+相互オプション1年の契約を結ぶことで合意に至ったようだ。
現在29歳のキングは2019年にヤンキースでメジャーデビュー。2022年と2023年はいずれも防御率2点台をマークするなど、主にリリーフで活躍していたが、2023年途中から先発に転向して結果を残した。フアン・ソトとのトレードでパドレスへ移籍した昨季はローテーションの一角を担い、31試合(うち30先発)で173回2/3を投げて13勝9敗、防御率2.95、201奪三振の好成績をマーク。サイ・ヤング賞投票では7位にランクインした。
FA前のラストイヤーを迎えているキングは今オフ、年俸880万ドルを希望。それに対し、パドレスは732万5000ドルを提示していたが、最終的には1年775万ドル+相互オプション1年で交渉がまとまった。ただし、パドレスの財政難も影響しているのか、契約の構造は少し複雑なものとなっている。
まず、キングは契約ボーナスとして300万ドルを獲得し、今季の純粋な年俸はわずか100万ドル。2026年の契約は年俸1500万ドルの相互オプション(バイアウト375万ドル)となっており、キングは契約ボーナス(300万ドル)、今季年俸(100万ドル)、バイアウト(375万ドル)の合計で少なくとも775万ドルを保証されることになる。今季20先発で5万ドル、25先発で10万ドル、28先発で10万ドルの出来高を獲得でき、キングは1年800万ドルを得られる可能性もある。
ちなみに、相互オプションが行使されるケースは非常に珍しく、今回の契約に付属している相互オプションも形式的なものだとみられる。米公式サイト「MLB.com」によると、相互オプションが行使されたのは2014年オフのアラミス・ラミレス(ブリュワーズ)が最後だという。よって、キングは今季終了後、FA市場に出ていくことになるだろう。