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8代目コミッショナーのフェイ・ヴィンセント氏が86歳で死去

2025.2.3 10:15 Monday

 1989~92年にMLBの8代目コミッショナーを務めたフェイ・ヴィンセント氏が86歳で死去した。1989年9月に友人のA・バートレット・ジアマッティが死去したことを受けて、後任としてコミッショナーに就任したヴィンセント氏は、1989年のワールドシリーズ期間中に発生したベイエリア大地震に対処し、1990年のロックアウトを乗り越え、ナ・リーグのエクスパンション(球団拡張)を主導するなど、短期間ながら存在感を発揮。MLBの歴史において、重要な役割を果たした人物の1人だった。

 ロブ・マンフレッド・コミッショナーは「フェイ・ヴィンセント氏は、1989年のベイエリアでのワールドシリーズにおいて、第3戦の前に発生した大地震のあと、責任をもってワールドシリーズを再開するにあたり、重要な役割を果たしました。また、1993年のナ・リーグのエクスパンションのプロセスを監督する役割も担いました」とのコメントを発表。「ヴィンセント氏は、MLBが多くの課題に直面する時期に、球界に多大な貢献をし、生涯を通じて、野球との関わりを誇りに思っていました。MLBを代表して、家族・友人のみなさまに心よりお悔やみ申し上げます」と述べた。

 ヴィンセント氏は、就任直後にベイエリア大地震への対処を強いられることになり、1990年のロックアウトや、ヤンキースのジョージ・スタインブレナー・オーナーの「追放」と「復権」を含む、様々な課題と直面したコミッショナーだった。また、在任期間中にはマーリンズとロッキーズを誕生させるエクスパンションのプロセスも進行させた。

 しかし、こうした数々の問題に対処するなかで、各球団のオーナーからの支持を失っていき、1994年3月31日まで任期が残っていたにもかかわらず、1992年9月に開かれた臨時総会でオーナー28人中18人からの「不信任」を受けた。当初、ヴィンセント氏は「法廷闘争に持ち込み、任期を全うする」と意欲を見せていたが、最終的には「球界の利益」のために、不信任を受け入れて辞任することを選択した。

 退任後も野球を愛し続けたヴィンセント氏。著書のなかでは「野球ほど物語を生み出すスポーツはほかにありません」と記している。米公式サイト「MLB.com」は「コミッショナーとしての在任期間は短かったかもしれませんが、ヴィンセント氏は野球の物語において、重要な役割を果たしました」と記し、ヴィンセント氏の功績を称えた。

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