賭博規定違反によりパット・ホバーグ審判員が解雇 MLB発表
2025.2.4 09:39 Tuesday
日本時間2月4日、MLB機構は賭博規定違反を理由としてパット・ホバーグ審判員を解雇したことを発表した。解雇の決定自体は昨年5月に行われており、MLB審判員協会との労使協定に従い、不服申し立てのプロセスを経て、正式に解雇が決まったという流れになる。ホバーグ氏は野球賭博への関与は否定。実際にその証拠は見つからなかったが、友人が野球賭博を行い、その友人と合法なスポーツ賭博のアカウントを共有し、さらには友人とのメッセージのやり取りを削除して調査を妨害したため、悪質であると判断された。
MLB機構のロブ・マンフレッド・コミッショナーは今回の件について「スポーツ賭博に関するMLBの原則なルール施行は、ファンのために試合の完全性を保護するという我々の最重要事項を維持するうえで、重要な要素です。ホバーグ氏が野球賭博に直接関与した、あるいは試合結果を操作したという証拠は見つかりませんでした。しかし、野球賭博を行っていたとみられる友人とアカウントを共有し、そのアカウントから野球賭博が行われていたという事実、さらにはメッセージのやり取りを削除するという悪質な行為もあり、最も厳しい処分に値します」との声明を発表。「したがって、ホバーグ氏の解雇には正当な理由があります。高い水準の個人行動規範に従わず、野球の完全性を維持しようとしなかったということです」と説明した。
ホバーグ氏は現在38歳。2014年からMLBの試合で審判員を務めるようになり、2017年にはフルタイムの審判員に昇格した。2018年から2022年まで毎年ポストシーズンに出場し、2023年のワールド・ベースボール・クラシックにも参加。2022年のワールドシリーズ第2戦ではストライク・ボール判定のミスが1つもなく、審判員による「完全試合」が達成されたとして大きな話題となった。
MLBの審判員は合法のスポーツ賭博を行うことが許可されている。しかし、ホバーグ氏が使用しているアカウントが、MLBの許可範囲外の賭博に使用されているというリークがあり、昨年2月に調査が開始された。その後、5月に解雇が決定され、ホバーグ氏は不服申し立てを行ったが、訴えは認められなかった。なお、昨季ホバーグ氏はレギュラーシーズンおよびポストシーズンで審判員を務めていない。
ホバーグ氏は「私は自分の判断ミスについて、全責任を負います。MLBの審判員は高い水準の個人行動が求められており、私はその基準に達していませんでした。ハッキリさせておきたいのは、野球賭博には一切関与していないということです。今後も野球賭博に関わることはありません」との声明を発表。「私は自分の過ちについて、MLBと球界全体に謝罪します。この過ちから学習し、今後はよりよい自分になることを誓います」とした。