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【MLB東京シリーズ展望⑩】通算6度目の日本開幕 カブスは25年ぶり2度目の公式戦

2025.2.6 12:53 Thursday

 3月18日・19日に行われる「MLB東京シリーズ」は、2000年のメッツ対カブスから数えて6度目の日本開幕戦となる。アメリカ、カナダ以外では、1999年のメキシコに次いで行われた歴史的な開幕戦を振り返る。

 1908年の選抜チーム「リーチ・オール・アメリカン」に始まった、MLBが行う日本でのエキシビションマッチは、単独チームや選抜メンバーによる「日米野球」として開催されていたが、2000年に初めて真剣勝負の公式戦が開催されるとあって大いに注目された。

 アメリカ・カナダ以外でのMLBの公式戦は、1996年にメキシコで行われたメッツ対パドレスが初めて。1999年には同じくメキシコで、ロッキーズ対パドレスの開幕戦が開催された。

 そして次の開催国に選ばれたのが日本だ。来日したのは、1995年に千葉ロッテで監督を務めたボビー・バレンタインが率いるメッツとカブスだった。

 メッツは、野茂英雄とバッテリーを組んだことで日本でも人気の主砲マイク・ピアッツァを主軸に、守備の名手レイ・オルドニェス、そして「盗塁男(Man of Steal)」ことリッキー・ヘンダーソンらを擁するスター軍団だった。

 対するカブスも、ベテラン好打者のマーク・グレイスや1998年にマーク・マグワイアと史上最高の「ホームラン狂騒曲」を演じたサミー・ソーサも来日するということで大いに注目された。

 また、バレンタインをはじめ、メッツには1997~98年に横浜(現・横浜DeNA)でプレーしたパット・マホームズ、カブスには1998年に福岡ダイエー(現・福岡ソフトバンク)でプレーしたブライアン・ウィリアムスがおり、外野手のデーモン・ビュフォードは父親のドンが1970年代に日本でも活躍するなど、日本との縁がある選手も多かった。

 連日5万5000人の満員となったシリーズは、皇太子ご夫妻も観戦した第1戦で、8回にピアッツァの2ランが出たものの、終始リードしたカブスが勝利を収めると、第2戦は1対1の投手戦で延長戦に突入し、11回二死満塁から代打ベニー・アグバヤニがバックスクリーンに決勝グランドスラムを叩き込んでメッツが雪辱を果たした。

 アグバヤニは、バレンタインが再び指揮を執った千葉ロッテで、2004年から6年間プレー。2005年にはNPB史上5人目、パ・リーグ史上4人目の2試合連続満塁本塁打を放った。また、シリーズの前に行われたプレシーズンマッチでは、松井秀喜がカブス戦で本塁打と盗塁を記録。同試合では2010年からメッツやエンゼルス、カブスでもプレーした高橋尚成も3回2安打無失点の好投を見せた。

 今回は日本人選手の凱旋が注目されているが、アグバヤニのように日本でプレーする選手も出てくるかもしれない。また、巨人と阪神が行うプレシーズンマッチでは、今後海を渡る選手にとって、MLBにアピールする機会にもなる。そこにも注目すれば、さらに今回の「東京シリーズ」を楽しめるはずだ。

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