王者ドジャースの懸念材料は「ロースターの柔軟性のなさ」か
2025.2.10 09:47 Monday
21世紀初のワールドシリーズ連覇を目指すドジャースのアンドリュー・フリードマン編成本部長は「トレード・デッドラインでの補強は避けたい」という方針のもと、シーズン開幕までに完璧なチームを作り上げるべく、積極的な補強を見せている。ブレイク・スネル、佐々木朗希、タナー・スコット、カービー・イェーツらを獲得し、テオスカー・ヘルナンデス、ブレイク・トライネン、キケ・ヘルナンデスらと再契約。トミー・エドマンとは契約延長した。穴のない豪華なロースターが編成されたように見えるが、王者ドジャースに全く死角はないのだろうか。
ドジャースの不安材料として挙げられるのは、まず「先発陣の耐久性のなさ」だ。スネル、山本由伸、タイラー・グラスナウ、佐々木、トニー・ゴンソリン、ダスティン・メイと豪華なメンバーが揃い、5月には大谷翔平もマウンドに戻ってくる予定だが、シーズンを通した稼働を計算できる投手は皆無。再契約確実のクレイトン・カーショウにもフル稼働は期待できない。2年連続で規定投球回到達者が出ていないが、今季も多くの故障者を抱えることになる可能性はある。
もう1点、懸念されるのは「ロースターの柔軟性のなさ」だ。現時点で開幕ロースターに予想されている26人のうち、マイナー・オプションを残しているのはゴンソリン、アレックス・ベシアと新加入のキム・ヘソン、佐々木だけ。それ以外の選手はたとえ不振に陥ったとしてもマイナーに落とすことができない。故障者が出なければロースターの入れ替えができないという状況であり、マイナーで活躍中の選手を昇格させようとする際に、この柔軟性のなさが足枷となるかもしれない。
逆に、ある程度故障者が出ることを見越したチーム編成をしているとも言える。アンディ・パヘスとジェームス・アウトマンの両外野手、ボビー・ミラー、ランドン・ナック、ジャスティン・ロブレスキー、ベン・カスパリアス、エドガルド・ヘンリケス、マイケル・グローブといった若手投手たち、そしてドルトン・ラッシングら有望株たちは、故障者の発生に備えてマイナーでアピールを続けていくことになりそうだ。