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MLBとESPNの放映契約が今季で終了へ 契約破棄に相互合意

2025.2.21 11:44 Friday

 米スポーツ専門チャンネル「ESPN」が行うMLBの試合中継は、少なくとも現行の形式では今季限りで終了することになった。日本時間2月21日、MLB機構と「ESPN」は現行の放映権契約の残り3年を破棄することで相互に合意したと発表。両者は2028年までの7年契約(1年あたり5億5000万ドル)を結んでいたが、最後の3年が破棄されることになった。現地時間の日曜夜の定番となっている「サンデー・ナイト・ベースボール」は今季限りで見納めとなる可能性がある。

 MLB機構は今回の件に関して、公式の声明文を発表。「我々はESPNと1990年の最初の試合中継から長きにわたって相互に有益なパートナーシップを築いてきました」と述べる一方、「しかし残念ながらESPNは近年、野球の魅力やパフォーマンスに見合わない形で、野球の報道や投資を縮小してきました。ホームラン・ダービーのようなユニークなイベントの独占放映権を提供していることを考えると、放映権料削減の要求は受け入れられるものではありません。結果として、放映権契約の破棄について相互に合意しました」と経緯を説明した。

「ESPN」では1990年からMLBの試合中継を行ってきたが、現行の契約ではレギュラーシーズン30試合とワイルドカード・シリーズに限定されている。そのほか、ホームラン・ダービーとオープン戦10試合も放送しているが、2014~21年の契約がレギュラーシーズン90試合だったことを考えると、その規模は大幅に縮小している。また、MLBのハイライト番組も2017年に放送を終了した。MLB機構は放映権料を引き下げて「ESPN」との関係を継続するより、ほかのプラットフォームとの契約を模索したほうがいいと判断したようだ。

「AP通信」によると、Appleは2022年から提供している週2試合の試合中継に1年あたり8500万ドルを支払っているという。また、現地日曜日のデーゲーム1試合を配信しているRokuは1年あたり1000万ドルを支払っているようだ。このように、MLBの試合中継を行うことに興味を持つプラットフォームは多く、MLB機構はこれまで「ESPN」に提供していたコンテンツを新たなプラットフォームで放送することを検討していくという。

 ロブ・マンフレッド・コミッショナーは「次の契約サイクルに向けて、MLBの権利を最適化していくためには、既存のパートナーとの契約金を引き下げるのではなく、ほかのプラットフォームで放送することが賢明だ」と語った。

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