ヤンキースがヒゲ解禁 選手獲得のため身だしなみ規制を緩和
2025.2.22 10:19 Saturday
日本時間2月22日、ヤンキースは伝統的な髭のポリシーを撤廃すると、球団の公式Xなどを通じて発表した。これまでヤンキースの選手、コーチ、及びユニフォーム着用者は、髭・長髪を許されていなかったが、今後は「手入れの行き届いた髭」を生やすことが許可される。オーナーのハル・スタインブレナーが決断に至った背景や選手の反応について、米公式サイト「MLB.com」のブライアン・ホーク記者がまとめている。
1970年代に先代オーナーであるジョージ・スタインブレナーが定めたルールを、息子のハルがついに撤廃した。ハルは「時代遅れ」で「やや不合理」な方針について、何年も前から検討していたとのこと。ハルは「ここ数週間、私はヤンキースの元選手や現役選手たちと、さまざまな時代をまたいで話をし、長年にわたる髭や身だしなみに関する方針について彼らの意見を聞き出してきた」と、現チームのキャプテンを務めるアーロン・ジャッジやエースのゲリット・コールといった選手数人と話し合ってきた。話し合った選手は全員がこのポリシーの撤廃に賛成だったという。
ヤンキースが50年以上に及ぶポリシーの撤廃を決めた理由の一つが、選手獲得に及ぼす影響である。髭禁止のポリシーを嫌い、ヤンキース加入をためらう選手が現れることを球団は懸念しているのだ。ブライアン・キャッシュマンGMは「実はこの春、マイナー契約の交渉をしたのだが、その代理人は『彼(選手)が髭を剃るかどうか決めるだけだ』と言っていたんだ。だから、これは現実なんだ」と、髭のポリシーが実際に選手獲得に悪影響を及ぼしていたことを明かした。アーロン・ブーン監督も「我々は選手を一人も逃したくない。その方針のせいで選手を一人逃したら、それは多すぎる」と、選手獲得のためにポリシーを撤廃することを支持している。
選手の支持も上々だ。ヤンキース加入前は長髪に髭を蓄えていたコールも「適切だし、理にかなっている」「個人の自由がいくらか得られるし、カミソリ負けも少し減るね」とポリシーの撤廃を歓迎している。一方、オーナーから聞き取りを受けていた選手たちとは異なり、若手選手にとってはこの変更は寝耳に水だったという。見事な口髭で知られる(口髭は許可されていた)若手捕手のオースティン・ウェルズは「(選手たちの間では)常にその話をしていたけど、『それが起こるかもしれない』ということは決してなかったと思う」と予兆なしの変更だったことを語っている。