タイガース・前田が2回4K無失点 ローテ争いで猛アピール
2025.2.23 07:15 Sunday
オープン戦【フィリーズ6-7タイガース】@パブリックス・フィールド
日本時間2月23日、タイガースの前田健太がチームのスプリング・トレーニング開幕戦に先発登板し、好投を見せた。前田は2回を投げて1人のランナーも許さず、4奪三振無失点の内容。ブルペン降格を味わった昨季のリベンジを期し、先発ローテ争いで強力なアピールを見せた。米公式サイト「MLB.com」のジェイソン・ベック記者が伝えている。
前田は、フィリーズの先頭打者ヨハン・ロハスを82.1マイル(約132キロ)のスイーパーで三球三振、2番ブライソン・ストットをセカンドゴロ、3番アレック・ボームを87マイル(約140キロ)のスプリッターで空振り三振に仕留める上々の立ち上がり。続く2回も、元同僚の4番マックス・ケプラーを81マイル(約130キロ)のスイーパーで空振り三振、5番バディ・ケネディを83.7マイル(約135キロ)のスライダーで空振り三振、6番ラファエル・マーシャンをセンターフライに打ち取った。2回で30球(ストライク21球)を投げ、三振4、四球も安打も失点も許さなかった。
そして特筆すべきが、スプリング・トレーニングの初戦にもかかわらず、前田の球速が回復していたことだった。今日の前田の4シームの平均球速は92.4マイル(約149キロ)で、最速は93.7マイル(約151キロ)をマーク。昨季のスプリング・トレーニング初登板では、平均89.1マイル(約143キロ)・最速90.1マイル(約145キロ)に留まっていた。そして、レギュラーシーズンになっても球速が回復することはなく、今日の最速である93.7マイル以上を計時したのは、3球(内2球がリリーフ登板時)しかなかった。
前田の球威向上の要因は、オフシーズンを通した早めの調整にある。通常、前田はオフシーズンの間に1、2回しかブルペンに入らないが、今オフは8回もブルペンに入ってからスプリング・トレーニングに臨んでいる。オフシーズンのブルペンを増やすことは、2年契約の1年目だった昨オフにフロントから求められたことでもある。前田は通訳を介して「それが調子がいい唯一の理由だとは言わない。調子が悪いと感じたメカニズムを見直し、あちこちで調整したことが関係していると思う。それが私の調子の大きな要因だと思う」と好調の要因について語っている。
現状、タイガースの開幕ローテの空きは2枠。球界最高の投手有望株とされるジャクソン・ジョーブ、元全体1位指名のケイシー・マイズらと前田はスポットを争うことになる。今日見せた好投は、先発ローテ争いにおける大きな一歩となった。前田は「開幕に向けての準備のようなものだが、それに加えて、ポジションを獲得しなくてはならない。だから、結果を出して、自分が先発にふさわしい選手であることを証明しなくてはならないし、2024年シーズンとは自分がどう違うのかを明らかに示さなくてはならない」と意気込んだ。