元全体1位・マイズがいきなり好投 ローテ争う前田の強敵に
2025.2.24 16:59 Monday
オープン戦【タイガース4-0ヤンキース】@ジョージ・M・スタインブレナー・フィールド
日本時間2月24日、タイガースの先発右腕ケイシー・マイズがヤンキースとのスプリング・トレーニングに登板し、2回3奪三振無失点の好投を見せた。元全体1位指名の有望株マイズは、昨季より球速を2マイル近く向上させ、覚醒した姿を披露。同じく開幕ローテの椅子を争う前田健太の強力なライバルとなるだろう。
現在27歳のマイズは2018年ドラフトで全体1位指名を受けてタイガースに入団。ドラフト同期のタリック・スクーバル(9巡目指名)がサイ・ヤング賞投手に成長したのとは対照的に、マイズはまだその嘱望された才能を発揮できていない。その最たる理由は度重なる故障。2022年にマイズはトミー・ジョン手術を受け、リハビリを経て復帰した昨季もハムストリングの故障に悩まされた。
21歳で迎えたメジャー2年目のスプリング・トレーニングで好投し、開幕ローテに抜擢されたのも今は昔。マイズは今や開幕ローテの椅子を争う先発投手の1人に過ぎない。タイガースはエースのスクーバル、FAで復帰したジャック・フラハティ、そして剛腕リース・オルソンまではローテ入り確定。しかし、1年契約で加入したアレックス・カッブが故障したことで、先発ローテの空席は2つに増えた。マイズはその椅子を前田、そして球界最高の投手有望株として期待されるジャクソン・ジョーブ、元有望株のマット・マニングらと争っている。
今日の今季デビュー戦でマイズが見せた投球は、その先発ローテ争いに大きな影響を与え得るものだった。マイズの4シームの平均球速は昨季の95.5マイルから96.9マイル(約156キロ)に向上。さらに大学時代は伝家の宝刀と謳われたスプリッターも、昨季の86.2マイルから90.1マイル(約145キロ)に向上した。マイズは「他の選手も見ている。ネイサン・イオバルディはあの球(スプリッター)をかなり速く投げていて、それで成功しているよ」と、球界のスプリッターの名手を参考にしてスプリッターを改造したようだ。そして、メジャー昇格後に頼ってきたスライダーも、スイーパー気味の変化と縦変化を使い分け始めるなど、あらゆる面で進化を見せた。
マイズは「私は全員と競争しているし、全員が私と競争している」と、先発ローテ争いに意欲を燃やす。前日の登板で回復した球速を披露し、好投を見せた前田だが、開幕ローテへの道筋は一筋縄ではいかなそうだ。超有望株のジョーブ、そして覚醒した“元”超有望株のマイズを退け、先発ローテ争いを制することはできるだろうか。