【日本人選手の新天地⑦~森井翔太郎~】NPBを経由せずにMLB挑戦を決意した「二刀流」
2025.3.3 17:46 Monday
2012年、大谷翔平はNPBを経てMLBに挑戦することを決意し、現在ではMLB最強選手として全米を席巻している。そして2025年、大谷が選ばなかった、NPBを経ずにMLB目指す「二刀流」がアスレチックスで第一歩を踏み出した。
偏差値70を超える都内有数の進学校・桐朋高校で高校通算45本塁打を放ち、投げては最速153キロを記録した「二刀流」の森井翔太郎が1月15日(日本時間16日)にアスレチックスとマイナー契約を締結した。アスレチックスは今季からオークランドからサクラメントに仮移転し、2028年からはラスベガスに拠点を構える予定。チームが生まれ変わろうとしているなか、18歳の日本人選手の挑戦も注目されている。
アスレチックスからの契約金は151万500ドルで、日本出身のアマチュア選手が得る金額としては史上最高となる。遊撃手として契約したが、ダン・フェインスタインGM補佐は「翔太郎はメジャーリーグの球団と直接契約した、数少ない日本人高校生の1人。翔太郎が我々のマイナー組織で登板し、打席に立つことをとても楽しみにしている」とコメント。さらに「彼が二刀流選手としてのプレーを望んでいることは知っている。我々も彼を有望な二刀流選手とみなしているし、投打両方で十分な練習量を確保できるように計画を立てていきたい」と二刀流選手として育成していく方針も明言した。
桐朋学園で森井は投手兼遊撃手としてプレー。目標とする選手には、サイ・ヤング賞2度受賞の本格派右腕、レンジャーズのジェイコブ・デグロムの名を挙げる。
野手では、昨季67盗塁でタイトルを獲得したレッズのエリー・デラクルーズの名を挙げた。「一番好きな選手はデラクルーズ。走るのが非常に速く、パワーもある。そして、彼の性格も大好き」と森井。デラクルーズも大型のショートストップで、強肩も森井と通じるものがある。
3月1日に卒業式に出席した森井は、今後スプリング・トレーニングに参加し、5月に始まるルーキー・リーグからプロの第一歩を踏み出す。3年以内にMLBの舞台に到達することを目標にしているが、それはちょうど、アスレチックスがラスベガスへ移転するタイミング。チームが注目されるなか、新たな日本人の二刀流選手誕生となるか。日本人選手初の挑戦が、今始まろうとしている。