【2025年シーズン展望~ア・リーグ東地区~】ヤンキース連覇濃厚もオリオールズが肉薄
2025.3.6 12:31 Thursday
昨季は全地区最小の3ゲーム差で前年の4位から地区を制覇したヤンキース。前年首位のオリオールズは2位だったが、ワイルドカードで2年連続ポストシーズンに進出した。今季も2強は変わらず、順位予想では両チームの勝利数の差が1勝と肉薄している。
まず、データサイト「ベースボール・プロスペクタス」の成績予測システムである「PECOTA」が3月4日(日本時間5日)に更新した順位予想を見てみよう。
1 ヤンキース(89.2勝72.8敗/勝率.551/ポストシーズン進出確率74.6%)
2 オリオールズ(88.1勝73.9敗/勝率.544/ポストシーズン進出確率68.4%)
3 ブルージェイズ(84.8勝77.2敗/勝率.523/ポストシーズン進出確率47.4%)
4 レイズ(81.8勝80.2敗/勝率.505/ポストシーズン進出確率30.6%)
5 レッドソックス(79.5勝82.5敗/勝率.491/ポストシーズン進出確率20.4%)
ヤンキースの連覇が予想されるが、2位のオリオールズとの勝利数の差はわずか1.1勝となっている。ア・リーグ東地区は、今季もこの「2強」の激戦が見られそうだ。
ヤンキースはワールドチャンピオンとなった2009年以来15年ぶりにワールドシリーズに進出。オフにはFAで41本塁打、109打点のフアン・ソト、30セーブのクレイ・ホームズが退団したが、カブスから2019年MVPのコディ・ベリンジャー、ブリュワーズでトレバー・ホフマン賞2度受賞のデビン・ウィリアムスをトレードで獲得。また、カージナルスからFAとなった2022年MVPのポール・ゴールドシュミットと契約するなど、ビッグネームを獲得し、補強は万全だった。
しかし、開幕を間近に迎えた現在、主砲のジャンカルロ・スタントンが両ひじを痛め、開幕欠場が発表された。
さらに、昨季15勝で新人王獲得のルイス・ヒルが右広背筋を痛め、復帰は最短でも6月と、故障者が続出している。
一方、オリオールズは昨季44本塁打と覚醒したアンソニー・サンタンデールがFAでブルージェイズへ移籍したが、2023年の新人王で、昨季はMVP投票4位のガナー・ヘンダーソンを中心に、成長著しい若手が今季も揃う。そこに、ブレーブスからFAとなった41歳のチャーリー・モートン、巨人から海外FA権を行使した35歳の菅野智之という2人のベテラン投手を若手中心の先発ローテーションに加えた。
その他、ブルージェイズはサンタンデールとマックス・シャーザーが加入。レイズはレッドソックスからFAのダニー・ジャンセン、レッドソックスはアストロズからFAのアレックス・ブレグマン獲得し、打線は強化されたが、いずれも投手陣に課題が残っている。
ヤンキースにとっては、開幕を欠場するメンバーが戻ってくるまでのあいだ、どこまで優位をキープできるか。オリオールズは、この序盤のチャンスを生かせるか。序盤戦の戦いによって、優勝の行方が左右されるかもしれない。MLB最大の激戦区「AL EAST」の優勝争いは、今季も激闘必至だ。