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デグロムとシャーザー 2人のレジェンドが完全復活を狙う

2025.3.9 16:47 Sunday

 日本時間3月9日、2人のサイ・ヤング賞投手が完全復活へ向け、スプリング・トレーニングで好調な出だしを見せている。レンジャーズのジェイコブ・デグロムはオープン戦に初登場し、ロイヤルズ相手に2回パーフェクト投球を披露。ブルージェイズのマックス・シャーザーはタイガース相手に4回途中無失点6奪三振の好投を見せ、今春のオープン戦はここまで9回を投げて自責点2、14奪三振と好調をアピールした。

 レンジャーズのデグロムは、メッツ時代の2018~19年に2年連続でサイ・ヤング賞を受賞し、球界を席巻した投手だ。しかし、2021年以降はトミー・ジョン手術を受けるなど健康を維持できず、4シーズンで35先発しかできていなかった。

 完全復活を期し、レンジャーズとデグロムは細心の注意を払って今季に向けた調整を積んでいる。オープン戦初登場となった9日のロイヤルズ戦では、2回を投げて1人のランナーも許さなかった。さらにボビー・ウィットJr.を含む3人の打者から三振を奪っている。レンジャーズは4度開幕投手を務めたこの名投手を、あえて先発5番手として開幕させる計画だ。それもデグロムに健康を維持してもらうことが最大の目標で、デグロムも「計画について話し合ったあと、私はそれで納得した」「目標は、できるだけ多く登板し、できるだけ多く先発してチームの勝利に貢献することだ」と球団と軌を一にしている。

 ブルージェイズのシャーザーは、これまで3度のサイ・ヤング賞に輝いたレジェンドだ。しかし、過去2年は36登板で防御率3.81と衰えが見え始めたのも事実。今季で41歳を迎え、タフネスで知られた右腕も故障で離脱する期間が徐々に長くなってきている。

 ただ、持ち前の闘争心は年齢を重ねてもとどまるところを知らず、シャーザーは向上心を持ち続けている。全盛期ほどの球速はもはやないが、依然4シームは94マイル(約151.2キロ)をマーク。さらに円熟味を増したコントロールで4つの球種を投げ分け、今日の登板では4シーム・スライダー・チェンジアップ・カーブの全球種で三振を奪った。シャーザーは今春ここまで3先発をこなし、9回、自責点2、14奪三振、無四球と圧倒的なパフォーマンスを見せている。

 2010年代後半の球界に君臨した2人のエース投手が完全復活に向けて好調な滑り出しを見せている。昨季はタイガースのタリック・スクーバルがサイ・ヤング賞を初受賞し、世代交代が完了した感もあるア・リーグだが、シャーザーとデグロムがそれに待ったをかけるかもしれない。


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