コールとヒルが離脱したヤンキース 投手の緊急補強は困難か
2025.3.12 10:22 Wednesday
ヤンキースはゲリット・コール、マックス・フリード、カルロス・ロドン、ルイス・ヒル、クラーク・シュミット、マーカス・ストローマンと6人の先発投手を抱えていたが、昨季新人王のヒルが右広背筋の故障で離脱し、大黒柱のコールはトミー・ジョン手術で今季絶望に。先発投手が余っていた状況から一転、駒不足に陥ってしまった。しかし、シーズン開幕が近づくこのタイミングでの緊急補強は簡単ではない。ブライアン・キャッシュマンGMも「選択肢がほとんどない」と認めている。
キャッシュマンGMは夏場のトレード・デッドラインまで有力な先発投手の獲得は難しいとの見解を示している。「獲得可能な先発投手を調査しているが、この時期になると選択肢がほとんどないんだ。通常、トレード・デッドラインが来るまでのあいだは先発補強の大きなチャンスは訪れない」とキャッシュマンGM。「市場には有力な先発投手は残っていないし、今チーム内にいる選手たちを頼りにするしかない」とコール、ヒルが離脱した穴は現有戦力で埋めていく方針を明らかにした。
現有戦力で先発ローテーションを賄っていくうえで、JT・ブルベイカーやチェイス・ハンプトンが離脱していることもヤンキースにとっては痛手となる。現時点ではオープン戦で好投している若手右腕ウィル・ウォーレンが開幕ローテーションに抜擢される見込みだが、それ以外の選択肢となると、マイナー契約のカルロス・カラスコとアラン・ワイナンスくらいしか見当たらないのが実情だ。フリード、ロドン、シュミット、ストローマン、ウォーレンの5人で開幕ローテーションを形成することになるが、もう1人故障者が出てしまうと、極めて苦しい状況に追い込まれるだろう。
現在25歳のウォーレンは昨年7月にメジャーデビューし、6試合(うち5先発)に登板して0勝3敗、防御率10.32、被打率.340と全く通用しなかった。しかし、今春のオープン戦では4試合(うち3先発)に登板して3勝0敗、1ホールド、防御率1.54、被打率.103と見事な活躍。先発陣の救世主となるような活躍が期待される。