【2025年シーズン展望~ア・リーグ中地区~】地区4位からの首位返り咲きで再び頂点を目指す
2025.3.13 14:13 Thursday
昨季は首位のガーディアンズから3位のタイガースまでがポストシーズンに進出したア・リーグ中地区。後半戦の失速で4位に低迷したツインズが2年ぶりの首位の座に返り咲きを狙う。
まず、データサイト「ベースボール・プロスペクタス」の成績予測システムである「PECOTA」が3月11日(日本時間12日)に更新した順位予想を見てみよう。
1 ツインズ(87.1勝74.9敗/勝率.538/ポストシーズン進出確率69.4%)
2 ロイヤルズ(81.4勝80.6敗/勝率.502/ポストシーズン進出確率35.0%)
3 ガーディアンズ(80.4勝81.6敗/勝率.496/ポストシーズン進出確率25.6%)
4 タイガース(78.5勝83.5敗/勝率.485/ポストシーズン進出確率18.9%)
5 ホワイトソックス(62.1勝99.9敗/勝率.383/ポストシーズン進出確率0.0%)
昨季は最下位のホワイトソックスが、1962年にメッツが記録した120敗を超える121敗でMLB史上ワースト記録を更新したことで、2チームがワイルドカードを獲得してポストシーズンに進出。4位のツインズも勝率は5割を超えた。
その4位のツインズは、2年ぶりの首位返り咲きが予想されている。今季はFAで退団した主砲のカルロス・サンタナに代わって、マリナーズ時代の2022年に20本塁打を放ってオールスター・ゲームにも選出された、レッズからFAのタイ・フランスが加入。ここ2年間低迷していたが、オフにサンディエゴ州立大学時代の恩師であるトニー・グウィン(故人)からのアドバイスを思い出すために、過去の映像も入念にチェック。オープン戦では9試合で5割を超える打率をマークしている。
1987年には前年6位(7チーム中)から、1991年には前年最下位から地区優勝、そしてワールドシリーズを制した奇跡を再び狙う。
2位予想のロイヤルズは、レッズからトレードで獲得した2021年新人王のジョナサン・インディアを1番で起用することで上位打線に弾みをつけるが、昨季9勝のアレック・マーシュは右肩の痛み、2022年に21勝を挙げたカイル・ライトは右ハムストリングの張りなど、早々の故障者に悩まされている。
前年王者のガーディアンズは、ツインズからFAのカルロス・サンタナが加入し、打線は迫力を増した。しかし、先発投手陣では2020年サイ・ヤング賞のシェーン・ビーバーと2021年にノーヒッターを達成したジョン・ミーンズが、ともにトミー・ジョン手術から開幕には間に合わないことが確実となっている。
タイガースは、打線ではマット・ビアーリングが右肩回旋筋腱板のケガで開幕戦欠場、パーカー・メドーズが右上腕の神経の問題で出場が危ぶまれている。そして、投手陣では投手三冠でサイ・ヤング賞に輝いたタリック・スクーバルはいるものの、ガーディアンズからFAで加入したアレックス・カッブは右股関節の炎症。再びのローテーション入りが期待される前田健太は、契約最終年で正念場となる。
そしてホワイトソックスは、退団・加入の選手が多く、新監督に就任したウィル・ベナブルにとっては我慢のシーズンとなりそうだ。