レンジャーズがベテラン左腕コービンと契約 故障者続出で緊急補強
2025.3.19 13:12 Wednesday
日本時間3月19日、先発ローテに故障者続出のレンジャーズがベテラン左腕パトリック・コービンと1年契約を結んだ。2019年にナショナルズの世界一に貢献したイニングイーターのベテランが新天地を見つけた。「MLB.com」のケネディ・ランドリー記者が報じている。
コービンはダイヤモンドバックス時代に2度のオールスター選出など実績を積み上げ、2019年からナショナルズに6年契約で加入。同年のプレーオフでは先発・救援両方の役割でフル回転を見せ、劇的な下剋上世界一に貢献した。しかし、その酷使の影響か、翌年からパフォーマンスは急降下。2021年から2024年までの4シーズンでは防御率5.71、総合指標bWARは-4.0とリーグ最低レベルの先発投手になってしまった。加えて2021年から2023年までは3年連続でリーグ最多敗戦、昨季も被安打と失点でリーグ最多を記録した。
ただ、最多敗戦、最多被安打、最多失点をこれだけ記録したということは、それだけ怪我をせずに投げ続けたことの裏返しでもある。レンジャーズが昨季の防御率5.62の投手にメジャー契約を与えたのも、まさにコービンのタフさに期待してのことだ。
レンジャーズはローテーションの一角と期待されたジョン・グレイ、コディ・ブラッドフォードの両投手が先週に故障。共に1ヶ月以上の離脱を強いられることになった。今ローテーションにいる投手もジェイコブ・デグロムを筆頭に、故障の心配が耐えない投手が多い。これを受けて編成本部長のクリス・ヤングも「明らかに、先週、先発投手陣と選手層に関して内部の状況が変わった」と緊急補強を迫られる状況に変わったことを認めている。
未だFA市場に残る先発投手の中では、スペンサー・ターンブルなど一見コービンより若く、より良い投球が期待できそうな投手もいた。しかし、「イニング数は私たちにとって重要だ」とコービンのイニングイーターとしての能力を買ったようだ。さらにヤングはコービンの投球内容が昨季後半に改善されたことを指摘。パフォーマンスの向上に期待を寄せた。
コービンは妻が出産を控えることもあって、来週からチームに合流予定。「何かを急ぐことで、彼を早い段階で危険にさらすことはできない」とコービンをいきなり開幕ローテーションに登用することはなさそうだ。しかし、コービンは自主トレで80球を投げられる程度に仕上がっているということであり、早めの合流もあり得る。
また、契約条件は1年で年俸が100万ドル程度、さらに出来高も100万ドル程度付く見込みだと、「ニューヨーク・ポスト」のジョン・ヘイマン記者が報じている。