English Español 韓国語

【2025年シーズン展望~ナ・リーグ中地区~】戦力拮抗の地区 カブスが総合力で一歩リードか

2025.3.20 12:25 Thursday

 毎年どこが勝ってもおかしくない、実力拮抗しているナ・リーグ中地区だが、今季はカブスが一歩リード。得失点差では地区唯一のプラス予想で、総合力で5年ぶりの首位返り咲きを狙う。

 まず、データサイト「ベースボール・プロスペクタス」の成績予測システムである「PECOTA」が3月18日(日本時間19日)に更新した順位予想を見てみよう。

1 カブス(91.7勝70.3敗/勝率.566/ポストシーズン進出確率87.8%)
2 ブリュワーズ(79.4勝82.6敗/勝率.490 /ポストシーズン進出確率19.3%)
3 パイレーツ(78.5勝83.5敗/勝率.485/ポストシーズン進出確率14.2%)
4 カージナルス(77.6勝84.4敗/勝率.479 /ポストシーズン進出確率13.5%)
5 レッズ(73.9勝88.1敗/勝率.456/ポストシーズン進出確率3.9%)

 ここ10シーズンの中地区優勝は、ブリュワーズが現在2年連続の4度、カージナルスとカブスが各3度と、圧倒的な強さを持つチームはない。そのなかで、今季はカブスが唯一勝率5割超え、得失点差も+91と唯一プラスで5年ぶりの首位返り咲きが予想されている。

 カブスは2019年MVPのコディ・ベリンジャーをトレードでヤンキースへ放出。しかし、アストロズから2023年の打点王で、昨季は300打席以上に限ればアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と大谷翔平(ドジャース)に次ぐメジャー3位のOPS.993を記録した強打のカイル・タッカーの争奪戦を制して獲得した。

 右翼のタッカーは2022年にゴールドグラブ賞を受賞しており、そのほかにも遊撃のダンズビー・スワンソンや中堅のピート・クロウ=アームストロング、左翼のイアン・ハップなど名手が顔を揃えている。特に「PCA」ことクロウ=アームストロングは、日本でもすでに話題となっている。守備力と脚力には定評があり、昨季後半戦はOPSが前半戦の.582から.735と打撃も大きく成長し、「東京シリーズ」でMLBデビューを飾ったマット・ショウとともに注目されている。

 投手陣では「東京シリーズ」で開幕投手として好投した2年目の今永昇太を軸に、福岡ソフトバンクでもプレーし、昨季はブリュワーズで12勝を挙げたコリン・レイが2020年以来5年ぶりに復帰。2022~23年に2年連続30セーブを達成したクローザーのライアン・プレスリーも獲得するなど、投手力の強化にも成功した。

 2連覇中のブリュワーズは、昨季チームトップの32本塁打、112打点のウィリー・アダメスがFAでジャイアンツ、勝ち頭のコリン・レイはカブスへ移籍。また、球界屈指のクローザー、デビン・ウィリアムスはトレードでヤンキースへ移籍と、主力の退団で戦力低下は免れない。

 3位予想のパイレーツは、昨季新人王で開幕投手を務めるポール・スキーンズを中心に投手陣は盤石だが、課題の打線は改善されていないだけに、昨季の最下位からは大幅なアップは望めそうもない。

 カージナルスは、2022年のMVP・ポール・ゴールドシュミットがFAでヤンキースへ。ノーラン・アレナドの放出も画策したが失敗に終わり、残留のまま開幕を迎えそうだ。打線に攻撃力を持たせるため、ラーズ・ヌートバーをレフトからセンター、打順も2番から3番への移行が予想されている。

 そして最下位予想のレッズは、昨季9勝のハンター・グリーン、67盗塁でタイトルを獲得したエリー・デラクルーズら若手の活躍が注目されているが、得点予想はカブスに次ぐ732点も失点はワーストの800点で、得失点差-68とバランスの悪さが順位に現れている。

spotvnow